就活を始めるにあたって就活の法則本、攻略本をいうものを購入することから始めるという人も多いと思います。
就活本を見れば、大体の流れが書いてあってなんとなくわかったような気がしますし、ESや面接のやり方も書いてあったりします。
でも、その法則本、就活本の内容は本当に正しいのでしょうか?
ここでは就活関連の本を利用することについての注意等について説明します。
就活の法則、攻略本は流行っている
就活の法則、攻略本というのは毎年のように販売されて結構流行っているようです。
これは本当に何十年間も、いつの時代も変わらないものです。
学生がいきなり就活といわれても何をすればいいかなんてわかりませんし、体系的な情報を得るにはまずは本を買ってみるというのは正しい選択になるのでしょう。
ネット上にも今は就活情報が多く溢れてくるようになりましたが、あまりにも情報が膨大すぎるということと、体系がわかりにくい、信頼度がよくわからないということもあります。
さまざまな人の意見が入ってきますし、本では書けないような情報も入ってきますので参考にはなるかと思いますが、1~2冊くらいは本でのまとまった知識も欲しいですよね。
問題は就活本に書いてあることが絶対的に正しいのかどうかということ、また正しくても使い方を気を付けなければいけない点があるということです。
マニュアル化することの危険さ
就活本では細かいマニュアルが書かれてあるものもあります。また直接的にマニュアルと書いているわけではなくても、結果的に同じようなやり方をして同じような答えが出る風に導いているものもあります。
この就活本による就活自体のマニュアル化というのはやりやすい、便利という点もあるのですが、危険性もあります。
まず、「全員の回答が同じになってしまう」ということです。
書いてある内容が具体的になればなるほどみんな同じ回答をするようになってしまいます。
ESでアピールする内容もみんなが似ていて面接でも似たようなことを話す。面接官から質問もパターン化されていて同じ模範解答を返す。
想像しただけでこれではダメだな・・・と思いませんか?
就活はライバルとの戦いでもあって、他の人との差別化をしていかなければ勝ち抜けません。
同じ本を見て対策したんだなというような均一的な回答をしていくと、一見良いようでありきたりすぎて、採用側から見ると量産型のつまらない学生なのかとも思われかねないリスクがあるということです。
また、マニュアル化が進みすぎると、その方法についても人事側に対策されてしまい、あえてマニュアルには存在しないような方法の選考に帰られてしまいます。
ちょっと荒れます。「こんなES見飽きたわ?。差別化してよ?。」って言う人事アカめちゃくちゃお門違いじゃないですか。それ、就活本出してる出版社なり陸道なりに言ってよ。学生は確かに世間知らずで不器用かもだけど頑張ってるだけだよ。なんでいつも「学生は無能」みたいな帰結をするの?
— やるしかない??@43卒 (@yarusikanaizoo) April 25, 2020
マニュアルからずれた質問がくると対応できない
就活対策本等のマニュアルを重視しすぎると、特に面接でマニュアルにないようなことを質問されると対応できなくなってしまいます。
ESであれば事前に作るものになるので、時間をかけて対応できたとしても、面接の場になると、その場で切り抜けなければなりません。
面接の場で出てくる質問がすべて自分の想定内であるということはなかなか考えられません。また面接官も完全に決まった質問をしてくるだけではなく、その場の雰囲気でオリジナルの質問をしてくることもあります。
決まり切った質問のときには勢いよく回答していたのに、質問の趣旨を変えたり、オリジナルの質問をしてきた瞬間に急に答えにつまる、微妙な回答になってしまうというのは、非常に微妙な印象になってしまいます。
マニュアル以外のことは回答できない人間と思われてしまうと、そこで終わりです。
作者の主観的な要素が強い
就活本では本当にいろいろなものが出ていますが、有名な人等が書いた対策本などは結構ズバっと回答方法が書いてあったりするものがあります。
例としてもかなり具体的なものが出ていて、わかりやすいものもあります。
問題は、作者はその内容でES、面接を突破して内定を取ったかもしれませんが、その内容は再現性はあるのか?ということです。
その人だからこそ突破できたのであって、同じことを他の学生がやってもダメという可能性も当然あるわけです。
人それぞれ同じ学生といってもバックグラウンドが違うわけで体育会系の人もいれば理系の人もいれば、アルバイト中心に過ごしてきた人もいます。
同じ回答をする、同じふるまいをすることが正しいのかというと、個人によって正解はかなり異なってくるのではとも思われます。
その部分を理解して、あくまで参考にするということであればいいですが、全部を妄信的に信用してしまってはいけません。
実際に就活が終わってから対策本を見直すと、こんなこと聞かれるわけがない、こんな回答なんてするわけがないというようなものがあることに気づくのです。
同じくネット上の情報も、簡単には信用しないこと
ネット上の情報についても就活対策本と一緒であくまで参考に留めておくのがいいでしょう。
ネット上にある就活対策サイトもそうですし、このサイトも正しい情報を書くようには心がけていますが、絶対視してはいけません。
あまりにもテクニック的な情報であると、書いた情報が昨年までは正しくても、今年からは違うということもあるかもしれません。
また企業の情報も欲しい人材も毎年毎年リニューアルされていきます。
業界の特性は〇〇のようになっていると書かれていても、今現在本当にそうなのかは誰にもわかりません。
そして就活のESや面接に関しては絶対はないということは覚えておきましょう。答えは人それぞれであり、決まった答えは存在しません。
他人の正解は自分の不正解かもしれないということです。
また応募した企業の多くに落とされてしまっても、第一志望群の一社に内定が取れればいいわけで、複数内定を取るというのは全然良いことではありません。
あまりに万人受けするような答えを作っていくのはどうなのかという部分がありますので、情報はあくまで参考程度にし、自分なりの答えを見つけていく必要があります。
柔軟な対応を心掛けること
就活に関してはとにかく目の前のことに柔軟に対応していくことが必要です。就活攻略・対策本ではこのように書いていても、答えはそれだけではないということはよくあります。
グループディスカッションでは司会者がいい?
グループディスカッション(GD)はすべての企業で採用しているわけではありませんが、頻繁に選考の初期段階で出てくるものではあります。
このグループディスカッションでは開始早々に意見を出してまわりを引っ張って司会者のポジションを確保した方がいいというような趣旨を書いている本もありました。
これが本当なのかというと、かなり怪しいところもあります。
司会者が本当に選考を通過しているのかというと、そんなこともありませんし、だからといってタイムキーパーや書記の役割がいいかというとそんなこともありません。
司会者であれば有利に話をもっていきやすいという部分はありますが、本質はこれではなく、コミュニケーションを円滑にとっていく、上手く他人の意見をまとめたり、議論の方向性を誘導したりするような役割がとれていればいいのです。
司会者の役割を取るというのは一つの方法に過ぎなく、またなんでも無理に司会者を取りにいっては失敗する可能性もあります。
自己分析では自分史を作るのがいい?
就活のための自己分析では過去の自分をすべて振り返って自分史を作るのがいいという話があります。
小さいときからの話で印象的だったものをすべて書き出して、そしてなぜそう思ったかを掘り起こしていく。
他にも感情のチャートのようなものを作ったりもします。
このような自己分析のやり方もあくまでやり方の一つでしかありません。
自己分析不要論のようなものまでありますし、最終的にはESが書けて評価されて、面接で自己PRができて企業に認められればそれでいいものです。
絶対にこうでなければいけないというものがあるわけではなく、自己分析も基本に従うのはいいですが、オリジナルの方法で見出しても良いものにもなります。
面接の一つ一つの答えに正解がある?
面接の一つ一つの質問に対する答えについても絶対的な回答があるわけではありません。
人によって答える内容が異なるなんて当たり前ですよね。
それをさも一つの正解があるようにとらえてしまうのはよくありません。
また時と場合によりますが、答えの内容自体もそこまで重視されないということまであります。受け答えが堂々としていたり、話し方が親しみが持てるのか、チームで働くことに関して問題がないと思えるのか。
そうした全体の雰囲気を見るものであり、一つ一つの回答の中身だけではない判断だったりもします。
スムーズな会話のキャッチボールを期待している場合、答えを用意しすぎてその答えにとらわれすぎると、不自然さが出たりもしてしまうかもしれません。
そうはいってもマニュアル化も大事
就活の対策本、攻略本のようなものを簡単に信じてはいけないというようなニュアンスのことを言いましたが、マニュアル化していくというのも大事なことではあります。
全く何の対策もしないで、ライバルがどのようなことをESに書いているのかも知らない、面接でもどのような質問が一般にくるのか知らないで飛び込むというのは、とても普通の人ができることではありません。
ただ対策をしないだけの人になってしまい、選考の通過率も悪くなってしまうことでしょう。
ある程度は対策本のようなものを読んで回答をマニュアル化しておかないと就活という特殊な勝負の中では勝てないということもあります。
何事も極端なものはよくなく、柔軟に対応していくのがいいのです。
複数の情報源をあたって確認する
就活対策本であったり、就活サイトであったりと就活に関連する情報は多くあります。
大切なのは複数の情報源をあたってみて、その真偽や意図を確認するということです。
誰か特定の人の情報だけを真に受けてしまってはいけません。
著名な方の発言であっても自分で調べてみることが大事です。
よくマナー講師が大事なマナーと言っていても実際は全然違うなんてことが起こります。それと就活も同じで、そんなことがあるなんてありえないなんてことが平気で書いてあったりもします。
情報の波に溺れてしまわないようにしっかりと見極める力を持つということ。また複数の情報源を探すということ。
最終的には自分の目で確かめて自分自身での感覚を掴んでいくということです。
過去の成功例はあくまで過去の成功例であり、自分自身の成功例となるかどうかはわかりません。
最後は自然体を見せられるのかどうか
就活の面接の場においては最後は自然体でコミュニケーションできるのかどうかというのが何よりも重要になってきます。
面接の場の固い質問で本音が出ないなんてことは採用側もわかっています。学生側もある程度作られた回答をしてくるなんてことは想定済みです。
そこでの回答の良し悪しというのももちろんありますが、最後は回答内容の中身よりもスムーズにコミュニケーションが取れていて、社員として良い雰囲気を出せるのかどうかということが重視されます。
あまりガチガチに対策された会話だけではなく、自然体で話すことができるように、面接自体に慣れていくようにしましょう。
まとめ
ここでは就活の法則本、攻略本の中身をどう使うかということについて話をしてきました。
基本的にはあくまで参考にするというスタンスで、自分なりの回答、就活の仕方を見つけていくことになります。
参考にするべきところはして、そうでない部分は使わない、自分なりのオリジナルでやるということでも全く構いません。
あまり就活本のそのままということは逆にリスクもあるということは覚えておきましょう。
就活対策に自信のない人、また相談をしたいという人は以下で紹介している就活エージェントを使ってみるのもいいと思います。
自分なりの対策ができるようにいろいろと工夫していきましょう。