面接を受けていて困る質問として、弊社の志望度はどれくらいなのですか?というものがあります。
就活マニュアルを見てみると、第一志望と回答しなさいとされているものが多く見えますが、本当に第一志望でもないところを第一志望とウソをついていいのでしょうか。
第一志望と答えるべきか問題について説明します。
ウソをついてまで第一志望と言う必要性があるのか?
面接で志望度を聞かれた場合に一般的な回答例として「はい、第一志望です。なぜなら~」と回答するようなものが出てきます。
本当に第一志望である会社であればそれでいいのですが、問題は第一志望以外の会社です。
新卒就活の場合は、学生は何十社もエントリーをして複数の面接を受けるのが当たり前です。第一志望が一社だけであれば他の会社で聞かれた場合全部ウソをつかなくてはいけないことになります。
そこまでウソをついてまで就活をしなければいけないのか。
これは今現在も課題として残り続けるもので、絶対的な正解として第一志望ですと言わせるのはおかしいとも言えるでしょう。
就活において企業がこれを聞くのは卑怯な方法
この問題ですが、選考の対象として企業が第一志望かどうかを聞いてくるということ、この時点でその企業は卑怯であるとも思えます。
事実上、学生にウソをつくことを助長しているからです。
自分の会社がよほど自信があるようなところならまだしも、業界順位が1位でなかったり、中小企業であったりする場合で本当に自社が1位なんてことがそう毎回都合よくあるのでしょうか?
この質問をして、第一志望と言わないと落とすというのはかなり悪質な質問だとも思えます。
学生の本当のことを知りたいのであれば、内定を出してから志望度を聞けばいいのに、内定を人質かにしたかのような志望度の探り方というのは本当に微妙です。
内定後、辞退することは問題ない
そんなに第一志望であることを要求してくるのであれば、内定を取った後辞退できないのでは?という心配があるかと思います。
ただ、これは辞退しても大丈夫とされています。
基本的には電話一本で辞退できます。
会って説明どうこう言われても応じる義務もありませんし、覆す必要性もありません。
第一志望と言ってもこれはOKという扱いなんです。
第一志望なのにおかしいと言われても、「他の企業も受けてみたら気が変わった、もう一度進路を考えてみて考えが変わった、他にも良いところが出てきた」。
このような回答で通ってしまうのです。
就活の仕組み、世間のルールと言いますか、非常に納得できないことがまかり通っているように思います。
こんなことが通るなら最初から志望順位を聞いても意味がない話です。
それにも関わらず聞いてくるというのは、合理性に欠ける話ですね。
細かいスケジュールの制限等をかけるくらいであれば、このような学生を惑わすことにしかならない質問はしないようにするくらいはしてほしいものです。
ウソでも第一志望と言わないと落ちる?
第一志望かどうかを聞かれたときに、ウソでも第一志望と言わないと落ちてしまうのかどうか。
これは実際には様々なケースがあって一概に言えることではないでしょう。
ただ、マニュアル化されていて第一志望じゃないと落とす企業もあるということも言われています。これは今現在でも本当にあるのかどうかはわかりません。
採用担当者側も、学生に聞いても第一志望としか返ってこなくて、それが本当かどうかは怪しいなんて毎年採用をやっていればわかることにはなりますが、上からのマニュアルで第一志望以外は通すなと言われていて従うしかないという話です。
就職が売り手市場なのか、買い手市場なのか、企業の就職難易度はどれくらいなのにもよって、これを実施するかどうかは分かれるかとは思われます。
内定辞退リスクを避けるための予防効果はある?
第一志望ではないと落とすという会社の目的としては、内定辞退リスクを避けたいということで行うということです。
最初から内定を辞退するような人には内定を与えないということ。
ただ、実際には誰もが第一志望と言っていたり、その後も平気で辞退されてしまうということを考えると本当にそんな効果があるのかという疑いがあります。
本当に優秀な学生で、本人が第二志望だったとしても、第一志望の会社に落ちて、その会社に来ることもあるわけです。
就活なんてそんなに何社も簡単に内定が取れるわけではありませんので、極端な話第10志望くらいでも全然そこに落ちついてしまうなんてこともあります。
さすがに御社が第10志望ですなんていう学生はいないとは思いますが。
第一志望と答えるべきかどうかの答えは割れる
企業に志望度を聞かれたときに第一志望と答えるべきなのかどうか。
これは答えが割れています。
ただ、今のところ就活マニュアルとしては「第一志望ですと答えるのが無難」とされています。
そしてそのことの理由付けをきちんとできるようにしておくということです。第一志望であれば、何の理由で第一志望なのかを説明できるようにしておくということです。
ただ、第一志望ですではなく、本当に入りたいならそれなりの理由がないとおかしいですよね。
でも、本当は第一志望でないというかなりの矛盾があり、話を作る能力が必要になってしまうわけです。
「弊社は第一志望ですか?」と聞かれたら答える言葉は決まっています。
「御社が第一志望です!私は現在XX業界を中心に受験しており、XXという分野で活躍したいと考えているためです。今後、?そのため御社が第一志望です。宜しくお願いします。」
“”企業選びの軸→具体例→だから御社が第一志望””
— take@17年卒で採用担当 (@recruiter_take) December 5, 2019
ウソを見抜くトラップの可能性は?
第一志望を言っておけば大丈夫という流れの話をしていますが、志望度を聞いてくるのが学生のウソを見抜くためのトラップであるという話もあります。
本当は第一志望でないにも関わらず第一志望というと、どこかボロが出てしまって、ウソをついている学生であると認定され、逆に落とされてしまうという話です。
確かに第一志望とそうでないところで熱意のレベルが変わってくるのは当然です。これが第一志望と第二志望くらいであれば、同じレベルで話ができるかもしれませんが、第10志望の会社で本当の第一志望と同じレベルの熱意で語ることはできるのでしょうか。
学生側の本当の志望度によってかなり厳しい回答になることも考えられます。
基本的には志望動機をしっかりさせて、本気で入りたいという思いが相手に伝わるように、会社研究もしっかりと進めておかなければいけません。
こうしたウソを見抜くトラップに引っかかってしまうくらいで、そこまでの準備ができていないと感じる点があるのであれば、素直に第一志望ではないことを言ってしまった方がいいのかもしれません。
第一志望群の表現で通せるのか
志望度を聞かれたときの上手い返し方として、「第一志望群です」という言い方があります。
これは本当に学生側も明確に会社を一つ一つ序列をつけて選考を受けているわけではありません。
希望しているこれらの中から合格できればいいなと、第一志望群があっても何もおかしくありませんし、本当に存在するものです。
では第一志望群と言っておけば大丈夫なのかというと、これも賛否両論あります。
「第一志望群なんて表現を使うということは、逆に第一志望ではないと言っているようなもの。本当に第一志望であれば素直に第一志望と言うから」
これが否定派の考えです。
これも最もな話です。
後は話の仕方になってしまいますよね。
本当に、正真正銘の第一志望である場合は、余計なことを言わず第一志望といいましょう。そして第二、第三志望くらいであれば第一志望と言ってしまっていいかもしれません。
それ以下の場合は、第一志望群という言い方。
その場の雰囲気、流れはありますが良いようにも思えます。
第一志望と答えなくても内定を取る人もいる
第一志望と答えなさいというのがマニュアルの答えとなっていますが、現実にはそう答えなくても内定が出ている人というのはいるものです。
第一志望ではありませんと答えて、採用側から「それでもあなたに来てほしいので、第一志望が無理であれば連絡ください」と言われることもあるのです。
おそらくそれだけ魅力のある人材だったということでしょう。
これがギリギリ内定が取れる実力であればNGであったかもしれません。
第一志望ではなくても、低い順位であるとは言わずに、迷いながら、面接を受けて会社の雰囲気を見て比較しているんですと話してもいいと思います。
どちらにせよ最初から学生が複数の企業を受けていることはわかっています。完全に第一志望と言わなくても、迷っているというのは答え方としてそんなに悪いとは思えません。
自分の実力次第で変わる
第一志望と答えなければいけないか、それとも第一志望ではないと伝えても内定がでるのか。
これは結局のところ本人の実力次第ということになります。
なんとなく、応募者の中で自分の立ち位置がどのくらいのものになるのかはわかったりはしますよね。
出身大学からして、その企業のレベルは挑戦なのか、それとも正直余裕のレベルなのか。
また、自己PR等の経験は他の応募者よりもレベルが高いのか、ギリギリなのか。
ある程度わかっているのであれば、状況に応じて強気に出てもいいところはいいはずです。
本当に優秀な学生であれば、企業としても当然欲しい人材ということで、そんなトラップのような質問で落とすような真似はしないはずです。
このあたりは同じ学生とは言っても、実際にはかなり立場は異なってくるので、自分の実力と向き合って考えてみましょう。
すでに内定がある、最終面接があるとき
すでにその会社を受けていて、他に内定が出ていたり、最終面接の場面でほぼ内定が出そうな雰囲気があるときは、わざと匂わすというのも一つの方法です。
人事側も、情報を細かく知りたいと聞いてくることも多いです。
第一志望かどうかは微妙な質問になりがちなので、むしろ選考状況はどうかということで聞いてくることが多いかもしれません。
ここですでにレベルの高い会社の内定を持っていたり、良い選考状況にあるということであれば、人事側も焦るはずです。
他の会社で何十倍もの倍率を勝ち抜いて内定を取ったということはそれだけで一つの実績です。
そんな学生を志望順位の一つで落としてしまって大丈夫なのかという気持ちにさせられます。
これは下手なウソをついても余計に話がややこしくだけなので、本当に余裕がある必要がありますが、余裕があれば、逆にある程度学生側が強気に出ていくこともできるのです。
本当にそこでやめていいのであれば1位と答えてしまう
完全な第一志望でないとしても、第一志望群であり、それもそのどこかで内定が取れれば超ラッキーというような人もいるはずです。
そのような場面で、もうその会社で内定を取れればその場で就活をやめてもいいと思っているのであれば、中途半端な回答をせず、第一志望で内定を頂けるのであれば就職活動をやめる予定です、と答えてしまうのもいいでしょう。
第一志望群といっても、その度合いは人によって異なりますし、複数の内定が出る確率が奇跡に近い場合というものもあります。
本当にそこでやめてもいいくらいの企業で、小細工をするよりはその場は全力で第一志望としてぶつかっていった方が熱意としては伝わりやすいでしょう。
正直な回答かつ前向きに答えるのもありなのでは
どうしても就活マニュアル系の対応として第一志望と答えろと書いてあるものが多いですが、そんな明らかなウソはつきたくない。もっと本音に近い回答をしたいと考える人もいるでしょう。
そうした場合、「第一志望群として考えてきて、今1位に向かっている」というような少し柔らかくした回答をする方法もあります。
それ自体も完全なウソだとしてはどうしようもありませんが、第一志望群で迷いながらも良い方向に向かっているんです。その理由は~ということで、人事側を納得させることができれば、そのことが悪い評価になるとは考えにくいです。
あまりマニュアルを真に受けた回答よりも、自分らしい回答の方が今の時代人事側も正直な人で良いと思ってくれるかもしれません。
落とすような企業はそれまでの企業という考え方
根本的なところとして、第一志望かどうかというような質問をしてくるというのはかなり微妙なものです。
ここで第一志望と即座に答えない人を落とすような企業は、それまでの企業であるということで、割り切ってしまうのも一つの考え方です。
誠実さが重要とされるこの時代に、学生にウソをつくことを要求してくるような企業に入って本当に大丈夫なのでしょうか。
ウソをつくのが得意な社員を入れて、仕事でウソをつかれるリスクは考えないのでしょうか。
このような質問を人事側の事務的な調査内容ではなく、直接選考結果に入れるということは、かなり問題であると考えます。
そして本当に魅力的な人材であれば、志望順位なんかに関わらず企業側もとにかく必要とするはずです。
落としてくる企業はそこまでで、自分の思いを伝えて受け入れてくれる企業を選ぶ。これも大切な就活スタイルの一つなのかもしれません。
あと「ウチ第何志望?」と聞かれた時には正直に答えた方が良いです。ここで第一志望と答えないと落とされるような企業は入社してからも嘘をつくことを求められ続けるので、正直に答えて落とされるのが正解ですよ。
— 藍川陸里 (@imaginary_organ) June 4, 2017
まとめ
ここでは第一志望かどうかの志望順位を確認された場合の答え方について書いてきました。
どう答えるかが非常に微妙な内容であり、絶対にこれだという回答は存在しません。
第一志望だと答えるのが無難ということで書かれているマニュアルや就活サイトも多いですが、本当にそれでいいのかということには疑問が残ります。
本当に学生にウソをつかせる企業というのも問題であり、このような質問自体が微妙な内容ではないかと思えるのです。
だからといって対策をしないわけにもいきません。もし聞かれたらどう答えるのかについてはあらかじめ考えておくようにしましょう。