グループディスカッション(GD)が苦手という方へのポイントは?

面接対策

就活の中でもグループディスカッション(GD)が苦手。そういう人もいるかと思います。

自己PRや志望動機というのはゆっくり自宅で考えて対策がしやすいというところがありますが、グループディスカッションについてはその場で全く関係のないお題が出されますし、見られる能力が一般面接とはかなり異なるという部分があります。

グループディスカッションを乗り越えるコツというのはあるものなのでしょうか。

ここではグループディスカッションを上手くクリアする方法について説明します。

グループディスカッションの目的

グループディスカッションなんて苦手なのに、なぜ企業はこんな採用とは直接関係のないようなテーマでグループディスカッションをやるのでしょうか。

これは、面接だけでは見ることのできない、コミュニケーション力、協調性、思考力というのを見たいという思いがあるからです。

面接であれば完璧に対策されてその解答しか返ってこないということもありますし、その場の面接官に対しては作られた答えを返すことはできても、普段の仕事能力はどうなのかということは見えてきません。

グループディスカッションであれば、学生同士で議論させることで、その人の普段の性格であったり、議論を通じての能力を見ることができます。

仕事は企業で働く以上、個人ですべてできるというものは少なく、チームで行うものが多くなります。
グループディスカッションは面接の一対一ではわかりにくいチーム力というのを見るのに適していると考えられます。

自己PRでいくらいいことを言ったとしても、こうしたところでボロが出てしまうと、おかしいなと思われてしまいますね。

議論して相手を論破するのはNG

グループディスカッションで求められるのはチームとしての力です。
チームとして結果を出せば、極端な話全員通過もあるというもので、チーム内で相手を論破してしまってはNGなんです。

ここを間違えてしまうと、一番に落とされる人になってしまいます。

ついつい自分の思いがあって、その理論を通して相手を打ち負かしてしまうということをやりがちな人もいますが、それはチーム内を乱す人、コミュニケーション能力がないという人です。

仕事をしていても、社内で意見が対立するということは日常茶飯事としてあります。

そのときに相手をただ打ち負かすだけでは当然ダメです。納得してもらうのも大事なことですし、正論でもダメだということもあります。

相手を論破するのはいけませんし、逆に暴走する人や反対意見を言う人をいかに納得させるかが重要です。

反対意見を言う人も本気で言っているわけではない

グループディスカッションで反対意見が出てきた場合、相手も本気で言っているわけではないということもあります。

はっきりいって、就活のグループディスカッションの場において熱くなって意見をストレートに伝えて白熱してしまっているようでは話になりません。

そうした議論は学校や友達でやってくださいと言われてしまいます。あくまで採用の選考でチームワークを示して答えを出せというのが求められていることなのです。

反対意見を出す側の人も、議論活性化のためにわざと言っているということもあります。

学生同士のお互いの読みあいというところで、相手側も選考を通過するために必死なので、いろいろな策を提示してきます。

お互いのメンツをつぶすような方向になる、後味が悪いような方向になるのはダメだということはわかります。

そのような意見もありますね、ということで相手側を一旦肯定した上で、最終的に導かれる結論が違っているというのは十分にありでしょう。

お互いの折衷案的なものが見出せるとなお良いものになるでしょう。

自分の意見が否定されても良い

グループディスカッションで自分の発言した内容が否定されることになってもそれはそれで問題ありません。

自分が発言した内容が正しい答えであったり、最終的に採用される答えである必要はないのです。

自分の発言は自分の発言で意味があるものとして存在し、その発言があったおかげで対立する意見が出て、議論の結果相手の意見を尊重した。

これは良い解決策です。否定されてそれでダメなのではなく、そこから新たな方向性へと導けばいいのです。

議論の勝ち負け的な方向になってしまうと、場を乱すことにもなりかねませんし、本来の目的を間違ってしまうことになります。

もともと明確な答えはない

もともとグループディスカッションとして出されるテーマは明確な答えがないものに設定されていることが多いはずです。

簡単に正解にたどり着けないもの、解釈次第でなんとでも言えるというもの、複数グループでやる場合、そのグループによって全然違う答えが出てくるというもの。

そうしたものこそがグループディスカッションとして優れたテーマであるともいえます。

大事なのは答えが何になるかではなく、普段の仕事でチームでいろいろな問題が起きてもスムーズに解決できるような協調性を見せればいいということ。

一定の議論をスムーズにこなし、時間内に一定の答えを出して、グループがその結果に納得していればそれでOKです。

話さないのはNG、たくさん話す必要もない

グループディスカッションを行う中で選考を通過するためにはどのようにふるまうのがいいのでしょうか。

これはまず全く話さない、ほとんど話さないというのは完全にNGです。
その人がいる価値を示さなければいけません。

いてもいなくても同じ人になるのであれば不採用になってしまうのは常識的にわかりますね。

自分ではなくても、あまりグループ内にそのような人を作って、仲間外れ状態にしてしまうのも好ましくはありません。自分だけが有利に動いてもチーム内管理の素質を問われてしまうかもしれません。

あえて、話をしていない人に話を振るというのも必要なことになるでしょう。上手く話を引き出す能力というのも求められているのです。

また逆に話をしすぎる人というのも、バランス感覚を疑われます。自分だけが気持ちよく話して、他の人が発言しづらい雰囲気を作っているかもしれないからです。

グループディスカッションのコツとしてはチームプレイを意識して、意図的に他の人の発言内容に触れる、他の人に話を振るということがありますね。

優れたアイディアが思い浮かばなくてもいい

グループディスカッションで出された課題が何かひらめきを必要とするものであった場合、優れたアイディアが思いつかない、他の参加者と比べて知識量が劣っていて、良いものが出てこないということはあります。

別にこのディスカッションにおいて自分自身がアイディアマンとなる必要性はありません。

優れた案を出す人というのも一目置かれることになるかもしれませんが、そんな人になれるかどうかは、そのとき何の課題が出るかわからない以上やりようがないのです。

普段から面接やグループディスカッションで何が出てもいいようにある程度の思考トレーニングはしておくに越したことはありませんが、一般企業を受けるにあたって、そこまではしなくても大丈夫です。

アイディアが浮かばなくてもフォロワーの立ち位置で十分に選考通過は可能です。

〇〇さんの出した案について賛成です。その理由は〇〇だからです。
〇〇さんの案は〇〇の案とは違って、~の点が素晴らしいと思います。

比較をしたり、話をまとめたり、評価をしたりということで話のつなぎ役として徹するのも一つの作戦です。

そんなに全員が優れたアイディアを次々に出せるなんてことはありえません。出てきたものを上手くまとめる力があるということは評価されます。

企業は多様性を求めている

グループディスカッションのノウハウ等を見ると、自分がいかにリーダーを取るかというようなニュアンスで書かれているものもあります。

これは大きな誤解で、実際にこの選考をクリアするには話を常に引っ張っていくようなリーダーである必要はありません。

課題の得意不得意、その場の参加者の雰囲気を見て、フォローにまわってもいいものです。

企業側は多様な人材を求めていますし、全員がこの場でリーダーを目指さなくてもいいのです。

中途半端にリーダーになって、リーダーとして参加者を上手く誘導できかったり、そこまで良いアウトプットが仕上がらなかったり等逆にリスクとなる可能性もあります。

そして、リーダーの腕や話の持っていきかたによっては名目上のリーダーではなくても、話を引っ張ることは可能です。

リーダーが司会進行をして、発表者はまた別の人が行いながらも、実際の評価は自分が一番になるということも十分にあり得ます。

リーダーになればいいとか、司会をすればいいとか、タイムキーパーがいいとか、そういった単純な役割を取ればいいという話ではないということを覚えておきましょう。

評価はどれだけスムーズな運営ができたかどうか

グループディスカッションではどのような点が評価されるのか。
それはどれだけスムーズな運営ができたとかどうかということです。

例え自分がそこまで目立たないとしてもチームとして良い評価となれば通過する可能性もあります。(目立たないといっても限度があり、黙っていてもいいということではありません)

司会とか発表者とかそういうことではない、目立ち方、スムーズな運営につながったのかということは評価が高いものです。

一番良いのは他人の意見を肯定する、もう一度口に出すことで要点を整理するということです。

大人の会議も一緒なのですが、だんだんと誰かに話が集中したり、論点がずれていったり、反対意見がまとまらないなんてことが起きてきます。

そういったときに、話を一度整理してみるということ、この姿勢を出せば同じチーム内も一旦冷静になりますし、採用側の評価としても高いものが得られるでしょう。

合否はどうやって判断されるのか

グループディスカッションの選考の合否はどのように決められるのでしょうか。

実際のところグループディスカッションの段階で多くの人数を落とすということは考えにくいものになります。

この段階で見ることができるのはあくまで基礎能力であり、それ以上の細かい部分については面接で確認していくというスタイルがほとんどになるでしょう。

グループディスカッションでは6名でやるとした場合、そのうち下位1~2名が落ちるということがあるようです。

他にもグループとしてダメな場合全員が落ちるケース、グループの出来がよくそのまま全員通過という話も聞きます。

企業によって判断はバラバラですが、多くの企業においてはあまり目立たなかった人、評価のしようがなかったという人、著しく問題があった人が落ちるという流れで、普通にディスカッションをして、普通の結論を導いていけば、これで原因で落ちるということは考えにくいのです。

就活全体で考えた場合は面接の比重が高くなりますので、あまりグループディスカッションだけに特化してトレーニングをする必要はないでしょう。

一部厳しくチェックする業界もある

一般企業ではそこまでグループディスカッションの結果を見られることはないということを言いました、コンサルティング会社であったり、一部超難関企業は要注意です。

そのような企業には基本的には頭の回転に自信がある人が集まるとは思いますが、グループディスカッションもハイレベルなものが要求されることがあります。

その結果には論理性が求められ、またディスカッションの内容も、より仕事として使えるかどうかを判断されるため厳しくみられるということもあります。

このような企業を受ける場合は、苦手と言っていては済まない部分もあり、高度な戦略が求められます。

基本的には、グループディスカッションも慣れと積み重ねしかないとは考えます。事前準備がかなり難しいもので、普段から一定の論理的に回答するクセをつけておけば使えるものもありますが、一朝一夕にできるものではありません。

できることといえば、グループディスカッションをいくつか経験してみることです。経験した上で、あのときはこのように発言すればよかった、このように誘導すればよかったと反省し経験値を積み重ねていくしかありません。

グループディスカッションが得意な性格、苦手な性格と別れる部分もありますが、難関企業においては、高度な論理性、コミュニケーションが求められるということで、準備はしておいた方がいいですね。

まとめ

グループディスカッション(GD)が苦手という方を想定して、進め方等についてのコツを説明しました。

基本的には一般企業でそこまでの難易度のディスカッションをしたり、大幅に人数を落とすということはありません。

上で書いたように全員がリーダーを無理にする必要もなく、上手く自分の役割を押さえて、全体として議論を導いていき、チームとして成果を出すというのが大事です。

慣れによって上達していく部分も大きいので、早めにいくつかのグループディスカッションを経験して、できること、やり方を見極めていきましょう。

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