就活で筆記試験が苦手と考える人もいます。
その中でも一般常識。これはできる人とそうでない人との差が出やすいものでもあり、苦手な人は本当にわからないものです。
あまり普段から新聞を読んだり、ニュースを見たりする習慣がないと一般常識系は困るということもあります。
ここでは一般常識の試験をどう乗り切ればいいのかについて話をしていきます。
SPIと一般常識試験の違いは?
企業が採用活動の中で筆記試験を課す場合、同じ筆記試験であってもSPI系と一般常識の試験に分かれてきます。
※厳密には他の方法もありますが、あくまで大まかな分類です。
SPIは主に算数・国語等の科目が中心で、勉強ができる知識というよりは頭の回転を見るような問題が多くなっています。
知識量を見たからといって、仕事に結びつくわけではありませんので、それよりは知能面で最低限の能力があることを証明したり、性格検査とのセットで知能、人格を出して面接で活かすというような使い方になると考えられます。
一方、一般常識の試験というのは社会常識を求めるということで知識系の試験です。SPIと似たような分類で国語・算数というのもありますし、理科・社会・英語というような本当に学校の主要5科目が出題されたりします。
さらに時事問題も社会の一環として出題され、普段からニュースに親しんでいないと厳しいということも起こってしまいます。
すべての会社が行うわけではない
この一般常識の試験ですが、すべての会社が行うというわけではありません。
会社によってはESと面接で終わりというところもありますし、ペーパーテストは性格検査だけというところもあります。
筆記試験といってもSPI系がメインで一般常識系は問わないところも多いでしょう。
全部の企業が行うわけではないので、対策もどこまでやるかという悩みが出てきます。余裕があればすべて対策するに越したことはありませんが、場合によっては、特に理科・社会系はある程度切り捨てる作戦というのも出てくるかもしれません。
一般常識試験の利用目的は足切り
一般常識の試験を企業はどのように使ってくるのかということですが、これはほとんどの企業が足切りとしての利用になるでしょう。
人気企業では応募者が溢れかえるので、全員と面接をすることは物理的に不可能だったりします。またESであっても、応募者が何千人を超えてきたときに全部を公平に読んで、厳格に判断できるかというとかなり微妙なものがあります。
そのため一般常識の試験で一定点数以下の人はバッサリと落としてしまうということです。
一般常識試験ができなかったからといって仕事ができないとは、別の話にはなってきますが、人数を絞る手段が必要なので、常識としておさえておいてくださいねということで、使用するのです。
応募者側からすると、足切りの点数さえクリアしてしまえば、後はそこまで重視されるものではないということになります。
一般常識の点数が高いから採用になるなんてことは、まずありえません。
性格検査の方がよほど重要です。
知識だけでいいのであれば、偏差値の高い大学から採用すればいいだけですが、そうはならないのが就活です。
企業が本当に求めたいのはこんな知識ではありません。
そのため、明らかに足切りを超えている自信があるのであれば、もう割り切ってしまって対策をほどほどにしておくのも一つの方法です。
一般常識試験の攻略法は?
一般常識の試験をどうやって突破することができるのでしょうか。
何か特別なコツというのはあるのでしょうか。
この一般常識試験については基本はSPIと一緒で基本的に対策本をを1~2冊さくっと仕上げておけば大丈夫です。
※特殊な業界を除いた一般的な話です。
あくまで一般常識の試験であり、足切りを突破する大学生はみんなが解けるようなレベルだということです。
高度な受験レベルの内容なんて出したら受験から数年経過している大学生が解けるわけがありません。
通常は誰でも解ける程度のレベルでしか出題しようがありません。
もし1~2冊やっても全くできない、合格レベルに達しない場合は、もう追加で数冊やり抜くしかないでしょう。
真面目に大学生活を送っていて、そこまで苦労するのはおかしいということです。全然解けないならよほど勉強してこなかったということ。こんなところで引っかかっていたのではこの先も勝ち抜けません。
覚悟を決めて、勝ち抜けるように勉強をし直しましょう。
かなりのレベルを求める受験勉強であればまだしも、就活用の一般常識試験なんてやってできないなんてことはありえない試験です。
一般常識試験のテスト範囲とは?
一般常識試験のテスト範囲とは具体的にはどのようなものになるのでしょうか。
例として「時事&一般常識の完璧対策 2021年度版 日経就職シリーズ」を見てみると、
2日目 「就活の一般常識」
3日目 「政治・経済のキホン」
4日目 「社会のキホン」
5日目 「文化・スポーツのキホン」
6日目 「国語・英語のキホン」
最終日 「数学・理科のキホン」
というようなコンテンツが用意されています。
本当に国語・数学・英語・理科・社会という基本5科目に加えて、時事問題や、文化・スポーツというような常識問題が加わっていることがわかります。
すべてを完全に網羅するというのは不可能な話になりますし、この点数だけをひたすら高めても、面接の対策等が微妙では意味がありません。
一般常識についてはなるべく広く浅く、そしてそこまで点数が高くなくてもいいので、突破ラインを超えるということを目指すことです。
英語に関しては、企業の姿勢によって判断
一般常識の中に英語が入っていますが、どこまでをやるのかというのは、どのような業界を受けるのか、企業の姿勢によって判断していきます。
一般常識試験といってもどの会社も共通のものと使っているとは限りませんし、難易度はバラバラです。
英語を使うことが前提の企業に応募するのに英語が全然できないというのはさすがに論外と見られてしまうリスクもあるかもしれません。
英語に関しては大学に入ってからも少しは授業があるでしょうし、ちょっと頑張ればなんとかなりますよね。
現実的にそこまでの難易度を英語試験を課すのはあまりないようにも思えます。
こんなペーパーテストで英語力を見るメリットがないからです。
本当に英語力が必須であるのであれば、英語面接の取り入れということになりますし、試験結果を見たいのであればTOEIC結果を重視すればいいですよね。
わざわざこのようなペーパーテストで本気のものを要求するというのは、やや考えにくくて、やはり足切りの軽いレベルでしか判断しようがないかなとも思えます。
数学・理科は企業に応じて判断
数学(算数)・理科も一般常識の試験範囲としても出てきます。
ただ、実際に理科まで入ってくるのは企業の中でも4分の1程度であるという話もあります。企業によっては理科を科目として課すことに意味がないところも多いでしょう。
本当に開発等で理系知識が必要な人は採用がそもそも異なりますし、初歩レベルの理科知識を出してもあまりにも中途半端感は出てしまいます。
特に文系学生が受ける企業で理科系の知識を出した場合、全然できない可能性もあります。私大文系の場合、数的思考能力であればまだしも理科の知識は全く通ってこなかったという人も多いはずです。
それがいいのか悪いのかというと微妙なところもありますが、その代わりに文系は文系は別の社会的知識の強みを持って勝負できるということ。あまりにもかけ離れた知識を問うのはナンセンスです。
このような事情もありますし、あくまで志望企業によっての個別判断ということで、本当に軽く触れて足キリを突破するくらいであまり深くは追及せずに、試験の点数は他で稼ぐというのがいいのではとも考えます。
一部の理系的思考を要求する業界については注意した方が良いかもしれません。
一般的には理科の試験ができなくて就活で落ちるというのは、ちょっと違うのかなとも思えますね。
時事問題は重要
試験の中で出てくる時事問題。
これは結構重要なものと考えます。
社会といっても、歴史の用語を忘れたのはただの暗記力の問題であり、仕方がないといえるかもしれませんが、時事問題がわからないということは、今の世の中のことがわからないということ。
これは社会人としてもまずいのではという判断が出てもおかしくありません。時事問題といっても、そこまでマニアックなものを求めることは考えにくいです。一般的にニュース番組で流しているようなことが出題されて答えられないのは就活生としての自覚を疑われてしまいます。
ここはSPIや一般教養の対策本とは別で、別で直近の内容がわかるような時事問題対策の本を買って読んでおくということ。
またそれ以上の準備をしておいた方がいいでしょう。
時事問題の本当の重要性は面接でも
時事問題がなぜ重要かというと、このテーマについては、筆記試験だけの話ではなく、その後の採用面接の方にも影響してくるからです。
筆記の試験の良し悪しはどうでもいいとしても、面接でも「最近気になるニュースは何かありますか?」くらいは聞かれてもおかしくありません。
そこでの回答によっては、話が深堀りされていって、一般常識本を一冊読んだくらいの知識では全く話ができないということも起こります。
全部の面接で時事ネタが出るというわけではありませんが業界であったり、担当者によっては時事ネタが絡む可能性はありえます。
その企業がちょうど関連する事業を行っている可能性もありますし、そうでなくても、それなりの会社の幹部候補として入る人が経済問題について語れないのはどうかというところもあります。
筆記試験以上に一つは語れる分野をもっておくということ。一般的な社会問題についての質問には、普通に話を振られて会話ができるという状態にしておきたいものです。
新聞を普段から読んでおけば答えられる?
時事問題に強くなるには新聞を普段から読んでおけばいいのか。
これはもちろん読んでおいた方がいいものにはなります。
ただ、なかなか新聞を読んで、答えられる状態を作るというのは、時間もかかりすぎますし、社会人であっても、それだけでしっかりと答えるのは難しいようにも思えます。
業界のニュースは個別にチェックして、深めておいた方がいいですね。
そして新聞だけではなくニュース番組を見て、どのように解説されているのかを掴んだ方がいいでしょう。
ニュース番組であれば新聞と異なり、どの分野が強調されているのか、コメンテーターは何を論点としてどのような主張をしているのか等参考になる部分が出てきます。
自分でも気になる点があれば、就活用の一般常識本ではなく、特定のテーマについての本を読んでみるのもいいかもしれません。
新聞をとって、ただ毎日眺めていればなんとかなるのかというと、なかなか読む力や着眼点が上手くないと、しっくりと頭に入ってこなく、記憶にも定着せず、上手く話すことはできないのではないでしょうか。
自分で語れるようにしておく
時事問題については、自分で語れるような状態を作っておく必要があります。
一番いいのは、試験対策本を読んで終わりではなく、自分で勉強したことを誰かに話してみるのがいいでしょう。
仲間内での意見を聞いてみたり、意見交換をしていけば、同じニュースでも違う見方があることがわかったり、自分でも伝える練習になっていきます。
友達や家族で相手をしてくれる人がいればいいですが、なかなかそういうことができないという人もいるかもしれません。
自分なりの考えをまとめておくだけでも効果はありますが、どこかで話したり、多様な考えを頭にインプットさせる機会はほしいところです。
一般常識の要求レベルは?
一般常識の要求レベルはどれくらいなのかというと、面接の場においても、普通は興味のある時事問題について聞いて、そのテーマについて語れるか、コミュニケーションが取れるかということくらいまでかなとは想定できます。
学生が本気で一般的な内容の時事についてその場で聞いて高度な発言ができるのかというと、それはまた無理がありますよね。
本気でTPP問題について面接で出題して語れるのかというと、どのようなものがあるかについての概要は理解していたとしても、深く議論ができるレベルの学生というのは、よほど事前対策でもしていない限りほぼ不可能でしょう。
ただし直近でニュースで騒がれていたり頻繁に特集されている内容となると話は変わります。
無茶なレベルを求めるわけでありませんが、世の中で話題になっていることくらいは知っていて意見を言えるくらいになっていないといけませんという感じになるのではないでしょうか。
これも受ける企業によりけりで、もしハイレベル企業を受けたりする場合には要注意です。
コンサル系では高度な論理性を時事問題に要求してくることも考えられますし、マスコミ系では当然時事問題の要求レベルは上がってくるでしょう。
他にも倍率が高く優秀な人が集まる企業ほど、要求レベルは上がってくるかもしれません。
そうはいっても、議論できるレベルのテーマというのはある程度限られてきます。事前対策で決してクリアできないレベルというのはないはずです。高度な論理性や高い時事問題への意識を要求してきそうな企業を受ける場合は、試験対策本以上の勉強をしておいた方がいいですね。
まとめ
ここでは就活の一般常識試験のコツはどうなのかということについて話をしてきました。
一般的には筆記試験は足切りとしての利用であり、そこまでの高い正答率を求めてくるわけではありません。
ですが、ここにきて基礎力の差というのも出てきてしまうものでもあります。
基礎力が全く足りていないという人は反省して徹底的な対策をするということ。また逆にある程度合格ラインを超えているという人は、そこまでこだわらず他の対策に進むのがいいでしょう。
ただし企業の特性のようなものもあり、かなりの知識の話を面接で振られるということもないとはいえませんし、柔軟に対応していくということ、また何か1つは詳しく話せるテーマを持っておくことも大事です。
こうした筆記問題や時事問題に不安な人は就活エージェントに相談してみるのもいいかもしれません。
まずは一般常識の対策本を1~2冊やってみるということ。やってみて自分の実力を知り、足りない部分を補うようにしていきましょう。