就活で出てくる自分史を作りなさいという話。
自分史を作ることと就活をするということにはどのくらいの関係性や効果があるものになるのでしょうか?
内定を取るためには自分史を作らなければいけないものになるのでしょうか?
自分史の必要性はどうなのかということについて考えてみます。
自分史が本当に就活に必要なのか?
就活のためには自分を作れというように書いてあることは多いです。
ただ、目的もはっきりとわからなく、流されて作る必要はありません。
結局就活のための行動をするということは内定が取れればいいということ。そのためには自己分析ができて、自己PRを適切に企業に伝えることができればいいわけです。
自己分析ができればいいので、その方法は問われません。
自分史を作らなければいけないと企業から求められているわけでもありませんし、自分なりの方法があって、自己分析ができているのであればそれでいいのです。
~した方がいい、作り方は~で、といかにも定型テンプレートがあるようなことも出てきますが、それはあくまで一例にすぎません。
合わないのであれば、やる必要はないということです。
自己分析の1ツールが自分史であるということ
自分史というのは作り方が絶対に決まっているものではないですし、あくまで就活で内定を取るためにやることの手段です。
自己分析のための1ツールという位置づけになります。
自己分析ができればいいので、強制されてやるものではありません。
だからといってやらなくてもいいのかというと、別の方法で自己分析ができたりする人であればいいですが、そうではなくただ面倒くさいとか、そういう考えではいけないということです。
就活において自分がどんな人間であるのかを客観的に見せるには、行動を見せるしかありません。
私は行動力がある人間です、なんて言ってもその証拠が出てこない限りは、ただのその人の感想に過ぎません。
過去どのようなことをしてきたから、〇〇という人間なんだ。
これを掘り起こしていく方法として自分史が有効になってきます。
本当に自分を理解しているのか?就活用の自分ではないか?
自分のことは自分がよくわかっているから大丈夫。
そう思っても本当にわかっているのかどうかは怪しいというものです。
実際に自分史等で振り返ってみると、思わぬことに気づくというのはあるものです。
そして企業に対していう自己PRですが、これはその場限りで適当にとってつけたような自己PRと自分のことを深く振り返ってみてその結果でてきた自己PRとはやはり違ってくるものです。
就活のために、相手の会社に合わせてなんとなくこのような人格にしておけば大丈夫だろうと、リーダーシップがある、継続力がある、忍耐力がある、コミュニケーション力がある、協調性がある等と都合のいいことを並べても、それに基づく原体験がないと、説得力がありませんし、深さが変わってきます。
なぜそのときそう思ったのか、なぜその行動をしたのかということを深く追求したり、事実関係を細かく話していくと、その場限りの自己PRはボロを出していき、本質的なものだけが残ります。
上手く面接のときにそれっぽい内容で選考を通過できてしまえばいいという考えもありますが、深く振り返って本質的な自己PRを出して、話せる体験を多く用意しておけばそれだけ有利になるということもあるでしょう。
自然と自己PRにつながる、長所短所がわかる
自分史を作ってみて振りかえることによって、過去を見直すだけではなく、自己PRにつながるネタが出てきたり、長所短所というのも自然と書けるようになっていきます。
リーダーシップ、継続力、行動力、チャレンジ精神、探求力、協調性など過去の出来事を振り返っていけば、企業が必要とするような能力を発揮するようなシーンがいくつか出てくるはずです。
別に大きな話であったり、大きな成果を出しているとか、そういった必要はありません。ほんの小さなことであっても、そのとき自分がどういうことを感じたのか、どのように行動したのか、それはなぜなのかを明らかにしていけば、本当の自分の考えが見えてきます。
反省したこと等も含めて考えれば、過去を振り返り終わった時点で長所・短所が出来上がっていますし、どういう人間でどこに魅力があるのかについても客観的に説明ができるようになるはずです。
就活の軸は何か?働くことの価値観は何か?
自分史を振り返るということで、自己PRに使う材料だけではなく、自分自身の就活の軸であったり、働くことの価値観も見えてきます。
就活は苦しかった。約20年の自分史を振り返り、できなかった自分と向き合わされて、周りと比べて劣等感を感じて、立ち止まりたくても前に進むしかなかったから。実はさ、今も同じなんだよね。だから、どうせ進むしかないなら、自分の意志で前へ進もうと思う。
過去は変えられないけど、未来は変える。
— ぼくおおくぼ|人事のヒミツ基地 (@bokuookubo0301) April 20, 2020
どんな仕事であれば自分に向いていると思うのか?
何をこれからしたいと思っているのか?
過去の経験を経験のままで終わらせずに、なぜそのことを考えたのかということを見つけていけば、これからの働き方、生き方においても、こういう考えを持っていきたいというような何かの軸が出てきます。
なんとなく企業を訪問して、面接して就職を決めて働くとこんなはずじゃなかったとなりがちです。
働くことに関して相手に合わせて受け入れることも必要ですが、それだけではない自分自身の軸を持っているということは、長い目で働いていくのに必要なことなのです。
自分史で見つけること
自分史を作ろうとしたときにどのようなことをすればいいのでしょうか?
このやり方は人それぞれですし、いろいろな方法がありますので、あくまで参考ということで基本的なことを書いておきます。
まずそれぞれの年代についての欄を作ります。
そしてその中で以下の出来事はどうだったのかということに書いていきます。
何かオリジナルの体験がある、習い事等をしていた等の場合は自由に項目を足して構いません。
そしてそれぞれの出来事のときに起こった感情について書きます。
思い出せる各出来事を集めるとともに、そのときの感情を素直に書くことで、自分自身の性格や行動の傾向を冷静に判断できるようになります。
なぜそう思ったのか?を繰り返す
それぞれの出来事からなぜそう思ったのか?ということを繰り返していきます。
ただ、嬉しかった、ではなく、なぜ嬉しかったのか。なぜ楽しいと思ったのか、なぜ嫌だったと思ったのか。
その原因をつきつめていくと、もっと深い思考が出てきます。
これは自分史を作るためというだけではなく、論理的に考える思考訓練にもなります。
あまりこのような思考訓練は今までの人生の中でやることはなかったと思います。細かいことは考えなくても生きていける。就活もなんとかなる。
これはその通りなのですが、将来の大きな分岐点となる今、思考訓練をして、表面的になんとなく考えているだけではなく、考えを文字に落とすということをしておくことが大事です。
ESや面接でも論理的に答えられるようになりますし、選考のことだけではない自分のこれからの未来にどういう軸で行くのかということ決めるのに役立つはずです。
やりたいことの根本は何になるのか?
やりたくないことは何なんのか?
突き詰めれば突き詰めるほど、今選ぶべき選択肢というのが見えてくるでしょう。
自分史を人に見せるのかどうか
自分史を人に見せて判断してもらったり、アドバイスをもらう方がいいのか。これは人それぞれであり、どちらでもいいと思います。
ポイントは自分史に書くことはすべて事実にすることです。脚色、ごまかしをしてしまうと、本当の自分が見えなくなってしまいます。
人に見せるために、脚色されたり、本当のこと以上にかっこよく見せてしまうというくらいであれば、わざわざこれそのものを人に見せなくてもいいでしょう。
自分史を見せるということではなく、自分史から導いた自己PR、長所・短所等を人に見てもらうというのでもいいわけです。
自分史はとにかく自分と向き合うために行うものとして、ひたすら誠実に、追求していきましょう。
自分史を完成させるのが目的ではない
自分史を作り始めると勘違いしがちですが、自分史を完成させるのが目的ではありません。いつの間にか手段と目的がすり替わってしまっている人がいます。
テンプレートがどれであるとか、他の人に見せてもらって完成度を高めるとか、完成度を高めること自体は悪いことではありませんが、完成したら就活成功というわけではありません。
大切なのは就活で内定を取るための行動をすること。
目の前のESと面接をクリアできるようになること。
働くことの価値観を考えるということ。
今までなんとなく過ごしてきたことを言葉で書くことによって自分の理解を深め、また思考力を高めるということが目的となるはずです。
極端な話、最初から思考力が高いのであれば、自分史をやらなくてもいいわけです。
自己PRを磨いていくというのも大事ですが、その前の自分史を充実させることばかりに目を向けて、実は就活から離れていってしまっているということのないように気をつけましょう。
他人の自分史なんてどうでもいい
自分史も就活情報を見るとよく出てくるものになりました。
自分史を作ることも当たり前になり、他人が何を作っているのか、どのような感じで作っているのかが気になることも出てきました。
この他人の自分史なのですが、一切気にすることはありません。
他人の自分史なんて、それこそ自分には何の関係性もありません。
出てきた自己PR等は、他人と比較して直した方がいいかとは企業側に見せるにはこうした方がいいかということで修正の余地はあります。
ですが、自分史は誰かに見せたりするものではありませんし、正解があるものではありません。
自分自身の過去はどうやっても変えられません。感情も自分で見出すものであり、他人のことはどうでもいいのです。
自分の道を見つけることが大事で出てきた結論が他人と違っていてもいいのです。
ここは他人と比較するようなものではなく、その代わりとことん自分と向き合うものであると考えてください。
企業を決めるだけではないその先の生き方を考える
自分史を作って、そこから過去の感情を読み取って、これからの未来につなげていくということ。
自分史であっても、他のやり方であってもいいのですが、目の前の企業を決めるだけではない、今後の生き方の軸のようなものを見出したいものです。
どの企業を選ぶかということだけを見るのは短絡的です。
どこかの企業の内定は取れるでしょうし、そこで働くということはあっても、その後もまたどうするかという判断はすぐに出てきます。
もしかするとすぐやめてしまうかもしれないし、どんどん転職してステップアップしていく人生になるのかもしれません。
全てを目の前の企業のために尽くす必要はありません。
どのような生き方をするのがやりがいを感じられるのか、自分にとって幸せなのはどのような生きなのか。
目の前の仕事だけでなく最終的な方向はどこにいくのか?
最初からいい仕事がやってくるわけではなく、新人として入社する以上、雑用ばかりだったり、希望とはかなり遠い仕事からということになることも多いはずです。
目の前だけではなく、今後の方向性というのをしっかりと考えておくことによって、大変なことも乗り越えていけますし、次の動き方の軸にもなってくるのです。
自己理解を極限まで深めるということで自分史を上手く活用していけるといいですね。
まとめ
ここでは就活の中で自分史を作ることの重要性、必要性ということについて書いてきました。
自分史を作ることは絶対に必要というわけではありません。ただ多くの人は自分史を作る中で、今後の就活に役立つものを見いだせたり、自己理解を深めることにつながるはずです。
就活にはいろいろなやり方はあり、絶対の正解はないものになりますが、一つの方法としてここであげた自分史をやってみるというのもいいのではないでしょうか。