就活の際に大事なのは自己分析といわれます。
その一方で自己分析不要論のようなものも見かけるようになりましたし、本当に必要なのかという考えも出てきているようです。
自己分析というのは本当に必要なものになるのでしょうか?
ここでは自己分析の必要性について考えてみます。
本当に自己分析が必要なのか?
就活をするのに本当に自己分析が必要なのかどうか。
このような疑問が沸くということはもしかして自己分析なんてしなくていいのでは?と思っているからなのだと思います。
それでは、自己分析を不要なのではと考える理由は何になるのでしょうか?
・入る会社を決めるのであって、自己を知りたいわけではない
・会社に対してアピールするのに優れたネタがあればいい
・自己分析のようなことをするのは面倒くさい
・自己分析をしても企業に対しては意味がないのでは
このような考えから出てきたのかなとは思います。
面倒とかやりたくないとかそういう気持ちはわかりますが、就活に関してはそれは微妙ですよね。
面倒なら就職しなくてもいいのかというとどうしようもなくなってしまいますし、力の入れ具合の違いはあっても、やらないと選択肢はないと考えます。
自己分析をしなければいけない理由はないといっても、結局のところ自分のことをわかっているつもりになっているだけで整理できていないのが実態なのです。
自分がどういう人間でどのような価値観を持っているかがわからないのに、会社から自己PRを求められてもとってつけたような話になってしまいますし、なぜその会社を選んだのかがはっきりしなくなってしまいます。
自分のことをすでにわかっていればいいのですが、本当に振り返ってみたり、文字に起こしたり、考えを整理することによって見えてくるものはたくさんあるはずです。
わかった気になった状態で人生の大事な局面を決めるのはよくありません。
また、企業側からしても、一番わかっているはずの自分自身を説明できなくアピールできない人が会社の商品を売る、アピールすることはできないだろうと考えます。
自分にとっても、企業側にとっても、自己分析をすることによって必要な情報が明らかになっていくものなのです。
ミスマッチを起こさないための自己分析
自己分析というと、そういうことをするのが好きな人と嫌いな人に分かれ、面倒だと思ったり、何をしたらいいかがわからないと考えることもあるでしょう。
真剣に自分のことを考える機会というのはそんなに人生の中で多くありません。特に大学を卒業して普通に就職するという場合、それまでの決断というのも、就活くらいの大きな悩みは出てこなかったのでは思われます。
目の前にあるゴールをクリアしてくればよかったのが学校教育ですが、そこから先は自分で見つけなければいけません。
自分自身がどのような魅力がある人なのか、長所・短所は何になるのか。
面接用に長所・短所等を作り上げたとしても、それは本当に正しいのか、また自分ではそう思っていても他人から見た場合はその通りなのか、違って見えるのかという問題もあります。
そして、自分を振り返って、この先どのようなことを本当にしたいのかということを見つけなければいけません。
面接向きに上手く自己PRを作ることができたとしても、それだけではなく、本当に自分自身の方向性も考えておかないと、入ってみたら何かが違ったというミスマッチが起こりやすくなります。
自己分析というと、ちょっと特殊なものに見えますが、本当は何かの節目ごとにやってみるのがいいものです。
できればこのような就活時だけではなく、その前も、その後も随時振り返って、今後を考えていくということが必要だと思います。
自分の軸を見つけることが必要
就活と今までの違いというのは、今回こそ本当に答えはないというものになります。
受験でどこの大学を選ぶのかというのも答えはないとはいっても、それでもある程度の選択肢は絞られてきました。
文系なのか理系なのか、偏差値はどれくらいで入れる大学はどこになるのか、通える場所にある大学はどこまでなのか。どの学部を選ぶのか。
大きな決断には変わりはありませんが、それでも条件を突き詰めていくと選択肢は限られてきて、その中から選ぶというものしかなかったはずです。
就活に関しては、この選択肢が無数にあります。
進路はそれぞれ本当に全員がバラバラです。
このくらいの実力だからここを受けて、というようなものではなく、何をしたいのかがわかっていないと選びようがなくなってしまいます。
だからこそ自己分析をして、これから自分は何をしたいのかの軸を見つけることが必要なのです。
軸がないと企業を選ぶことができない
自己分析をしなくても相性の良い企業を見つければいいのではなんて思っていても、企業の数は膨大にあります。
日本にある企業の数は約400万社。上場企業だけで見ても4000社弱もあります。
とても一つ一つの企業をじっくり調べていくなんてことはできません。どの業界ならやりたくて、どの業界は嫌だとかもわかっていないと、選びようがなくなってしまいます。
ここをなんとなくで選ぶと後からやっぱり違ったとなってももう取り返しがつかなくなるリスクも出てきますので、まず自分の軸をしっかりと作った方がいいのです。
給料だけで選ぶのはよくない
企業を選ぶときに給料が高いところがいいと考える人も多いかと思います。この考えは間違ってはいません。
給料が低くてもいいというのは、今言えるだけで後々その会社に長くいるとなると生活費の問題も出てきて、とてもそんなことは言えなくなってしまいます。
ただ給料だけで選ぶのは危険です。給料が高いということは、基本的にはそれだけのハードさがあったり、希少価値がある仕事です。
楽をして給料だけが高いというのは就職ではありえません。
給料の高さだけで入社してしまうと、大変なこと、つらいことがあったときに頑張れるモチベーションがなくなってしまいます。
自分はこういうことがやりたくでこの会社に入ったという軸がないと、やはり危ないのです。
知名度だけで選ばない
知名度で会社を選ぶというのも難しいところがあります。
知名度に関しても絶対ダメとは言えないところがあり、誰も知らないような会社に入るということと、世間的に有名な会社に入る方でどちらが豊かな生活を送れるのかというと、それは後者の方が可能性が高いでしょう。
だからといって就活時点で自分の知っている知名度に頼るというのは危険です。
大学生が知っている会社なんて、そんなに多くありません。またどうしてもBtoC向けの会社が多くなりますし、法人間取引の事業なんて関連する研究でもやっていない限りわからないでしょう。
実はただ単に知らないというだけで本当は優良企業であったにも関わらず選択肢を狭めてしまっている可能性があるわけです。
また知名度が高いということと働く環境がいいかどうかはまた別問題にもなってきます。
欲望に忠実なのはOK、そこから考える
給料であったり、知名度であったり、カッコよさであったり、福利厚生であったり・・・こうしたある意味欲望面から考えてこうしたいと考えることも全然OKです。
社会的に役立つことをというような話を無理やり作り上げることはありません。
ESや面接対策としてはある程度着飾ることは必要になるかもしれませんが、自分だけの自己分析としては本音を知っておくことも大事です。
お金持ちになりたい。そんな動機でもよく、そこからその企業を深く調べて本当に興味があるのかということを知っていくということ、またなぜお金持ちになりたいのか等自分をさらに深く考えることによって、新たな軸、価値観が出てくることもあるでしょう。
軸を作らないと面接での説得力がない
自己分析によって自分の軸を作っておかないと面接での説得力にも差が出てきます。
自己分析と志望動機というのは別のように見えて、結びつくものです。
この会社が良いと思ったから就職する、ではなく自分はどのような人間だから、その会社に合うし、その会社の事業がやりたいと思えるようになるのです。
なんとなくいいと思った会社と、やりたいことを明確にして受けた会社では面接の出来は変わってきます。
第一志望の方がレベルが高い企業で内定を取りにくいと思っても、第一志望の方に近づけば近づくほど、実は自分の軸とよりあった企業になっていくので面接でも話しやすくなり通過率が上がってきます。
その場だけの作られた自己PRや志望動機と本当に自分自身を深く振り返ってみた結果とは、話す内容も異なってくるのです。
すべてのことを何故?と掘り下げる
自己分析のやり方はいろいろなものがありますが、基本スタンスとしてすべてのことを何故と掘り下げることです。
今までの大きな経験を全部洗い出して、なぜそうしたのか、うれしかったことやつらかったことは何か。自分はこれまでどのような人間だったのか。
今後どのようなことに興味があるのか。
このようなことを掘り下げていきます。
全部を何故そう思うのかと掘り下げてみることが大事です。
何故か?ということに答えられるにしておけば面接の場で突っ込まれても安心です。何故そう思ったのか?これをしておかないと、自己PRや志望動機についての相手側の質問に答えられないということが起こってしまいます。
基本は何故そうなのかの掘り下げで深く深く、表面的ではない自分でもぱっと言葉にできないような理由に近づいていけるはずです。
自分のことがわからない場合
自分のことは自分が一番よくわかっているということはよく言いますが、実際には本当にわかっているかどうかは怪しいものです。
人から言われて自分の性格に気づくなんてことはよくありますよね。
自分は真面目だと思っていても他人から見るとそうじゃなかったりその逆だったりとか、協調性があるとか、行動力があるとか。
そう思っているだけなのか、それとも気づいていない特徴、長所等があるのか。
できればこのようなことも考えておきたいです。あまりにも本人が話していることと、他人から見た実態が違うということであれば、自己PRをしていても何かおかしいということにもなりかねません。
他人に見てもらうということ
自己分析で作った内容、自己PRでつくった内容を他人に見てもらうのは良いことです。
ちょっと恥ずかしくてできないということもあるかもしれません。
つくった原稿そのものでなくても、なんとなくの特徴的なものを上げてみてどうかを聞いてみたり、自分はどういう性格で長所があるかということを他の人にヒアリングしてもらうのもいいと思います。
仲良い友達がいるのであれば、自己分析を含めて情報交換してみるのもいいですね。
このときに親にしか見てもらわないのはNGです。
親に見てもらうということ自体がNGというわけではないのですが、親の意見そのままだと、あまり冷静に子供のことを見ていられず、客観的な評価にならない可能性があります。
親は子供に対して必要以上に期待してしまったり、または逆に何かこじれていたりということであまりフラットな評価が期待できません。しているつもりでも、何か感情が入ってしまうため、聞いても話の一つとして捉えておく程度にしておきましょう。
就活エージェントに相談してみる
あまり自己分析について相談できるような人がいない、また友達同士では話ができたとしてもその出来に不安があるというような場合、就活エージェントを利用してみるのもいいでしょう。
就活エージェントは第三者として企業の間にエージェントが入って企業と結びつけてくれるサービスです。
企業への就職の別ルートとして活用することができます。
このエージェントでは自己PRや志望動機の相談に乗ってくれるところも多くあります。
当記事下でも就活エージェントを紹介していますので是非チェックしてみてください。
第三者の冷静な意見というのは本当に役に立つものです。
まとめ
ここでは自己分析が本当に必要なのかという論調に対して、必要性というのも主に上げてみました。
自己分析不要論というのは、よく出てきますが、就活で悩んでいる人はあまり気にしなくていいですし、内容を鵜呑みにしてはいけません。
〇〇不要論といいつつ、別のアプローチについて述べていたり、本人の持論、極論のような話もありますし、上級者が上手く応用すればいいのであり、最初からやらないなんて選択肢はありえません。
就活に関して自己分析をすることによって見えてくるものはたくさんあります。ぜひ早い段階から自己分析を進め、自分自身を振り返り整理してみましょう。