海外旅行が大好きだという人。
特定の国によく行っているという人、憧れの国に一度行って楽しい思いをした、バックパッカーとしていくつもの国を回っている。
試しに行った国で面白い経験をした。
学生自体に海外旅行を経験する人は多いです。
その海外旅行経験というのは、就活のエピソード、自己PRとして勝負できるものなのでしょうか。
留学ではないという話もありますが、海外旅行の経験でも就活で活きてくるという話もあります。
ここでは海外旅行の経験と就活について話をしていきます。
海外旅行経験が魅力的に使える時代がきた
就活で話せるような内容として海外旅行はどうなのか?という疑問はあるかと思います。
やっぱりサークルやアルバイトなのか、ゼミの話なのか。
海外旅行をガンガンしている人は、サークルやアルバイト等もそこまで本格的に語れないということもあるでしょう。
この海外旅行経験も今は企業も評価するようになっている声が出てきています。
旅行ということであって、留学ではありませんので、何か証明できるような証がある、学業として何かの実績を示せるというようなものではありません。
旅行なので、どうしても遊びという面が入ってしまいますし、目的としても勉強のために行っているわけではなくて、自分自身の楽しみのために行っているというのも事実です。
ただ、それでも日本と違う経験、日常と異なる経験をしたということは、一つの話となる出来事であり、そこで得た考え方などは十分アピールできる材料となってきています。
留学ではなくても大丈夫というメリット
海外旅行でも評価されるというのは、留学ではない人にとっては大きなメリットです。
留学したいと思ってもなかなかハードルが高いですし、時間の問題や経済的問題でやりたくてもできないという人も多いでしょう。
海外旅行の経験であっても、就活で十分なエピソードとして通用するということで、この点は安心できます。
ただし、どうしても海外ネタで就活を勝負ということになると、本格的に留学してきた人と勝負になってしまいますので、単純勝負だと不利になってしまいます。
グループ面接等で留学経験者と一緒になって、同じような海外文化の話だったりすると、留学で本格的に過ごしてきた方が凄そうなことを語れてしまいます。
ESであっても、次々に対象の応募者のシートをチェックされる中で目立てなかったり、見劣りするようなものだとすぐにスルーされて終わってしまいます。
海外旅行自体は話題としてはOKなので、留学経験者とはまた切り口を変えた自己PRを作っていくことが必要になるでしょう。
もちろん、ただ楽しかっただけではNGで、そこからの発展的な考えを言えるようでなければいけません。
逆に留学経験であっても、それが必ずしも最強に使えるのかというとそうでもなく、実は下手に留学経験をアピールしても不利になるのではないかという説さえ出ているのです。
参考)留学経験が就活のアピールとして役に立たない?不利になるなんてある?
英語圏以外でも得られる評価
海外系の話だと英語圏の話で、英会話ができることが前提となる?と考えるかもしれません。
実は就活の自己PRに関しては英語圏である必要は全くありません。
英語圏での生活能力がある場合は、即戦力での期待であったり、国際部門での勤務の可能性が出てきたりということはありますが、英語圏でなくてもそれは経験として評価されます。
むしろ中途半端な英語圏よりは非英語圏の中で生き抜いた・・・とまでは言わなくても、旅行できた、心から楽しんでこれた、何か価値観が変わったり、考えることがあったというのは魅力的です。
英語圏ももちろん日本とは全く違う文化になるので、そこで刺激を受けるというのは大きなものにはなります。
ですが、英語圏は先進国であり、最初から豊かな国です。そして日本人であれば誰もが英語は勉強していますし、意外となんとかなるものです。
それが英語圏以外となると、文化も一般的に知られている海外文化とはまた違ってくるかもしれませんし、言葉の通じないレベルが変わってきます。英語は通じるかもしれませんが、不完全な状態でのコミュニケーションとなります。
英語力で勝負したり、留学経験の豊富さで勝負するのであれば英語圏は良いと思いますが、純粋な旅行系で勝負するのであれば、むしろ英語圏以外の方が面白いと思えるのです。
ESでも見て、中身がアフリカのことが書かれていたり、インドのことが書かれていたりすると、目を引きますよね。
海外の語学学校に通っていましたでは、もう珍しさはなくなってきた今、そのくらいのインパクトはあっていいでしょう。
逆に英語圏への旅行であれば、いかにもメジャー都市の旅行ではなく、隅々までまわって、日本人があまりいないようなところの経験とか、個性を出していきたいところです。
旅人採用という専用サービスもオープン
今、世の中には旅人採用なんてサービスもオープンしています。
2018年からオープンしたサービスで、世界を旅した旅人に特化した就職サービスになるそうです。
このサービスについての詳細は割愛しますが、世界を旅している旅人が社会でも需要があるということの証明にもなります。
逆にいうと、このようなサービスがないと今まで認められにくかったということもあるのかもしれません。
世界への旅行ということは、趣味的な要素が強く、勉強や語学とはやや離れたところになってしまいます。
また何か国もまわって経験した人は、新しい価値観を得ることがよくありますが、その価値観が日本企業とは合わないということもあるのでしょう。
日本企業は多様な価値観をと言いながら、それは建前であって、実際には素直に企業の言うことに従ってくれる従順な人を求めているだけであり、海外の価値観をもってこられたり、自由に生きていくような方向性、日本でレールに乗って過ごすだけがすべてではないということを知っている人に入社されると対応できなかったわけです。
これがようやく流れが変わってきて、企業も個人の個性を認めだしている、またこれまでの日本だけの価値観ではいい加減競争に勝ち抜けなくなってきているということを感じているのかもしれません。
旅人採用という話をしましたが、このサービスを利用しなさいということではなく、普通の就活でも海外旅行エピソードも十分に使えるようになってきているということです。
ようやく多様な価値観を認めだしたということで、一般の大学生とは違う価値観を得たということをアピールしてみても、またその国特有の事情から見えてきたことを自己PR等に結び付けてみるのも面白いのかなと感じます。
バックパッカーだけが有利というわけではない
世界中を旅してきていた人の話をするとバックパッカーのような人が有利で、普通の留学であったり、または普通の海外旅行であったり、そういう人はあまり意味がないのかというと決してそういうわけではありません。
別に無理やり貧乏旅行をしたり、安い宿に泊まったり、危険度の高い旅行をする必要があるわけではありません。
あまりバックパッカー的要素を全面に押し出しても、それでうちの企業にどう役に立つのですか?あなたはどういう人なんですか?ということを言われてしまいます。
安全な旅行であっても、お金をかけた旅行であっても関係ありませんし、英語圏であろうと、英語圏の中であろうと、語学力が高くても低くても、あまりそれは本質ではないと考えます。
大学の授業をほったらかして世界中を飛び回ってきたら優秀なのかというとそれもまたちょっと違います。極端なのは極端で目立って面白いというのもありますが、基本は会社から見てあなたはどうなのかということを考えなければいけません。
何を経験したかではなく、何を考えてきたのか
企業から求められてるのは、何を経験したかではなく、どのような人物であって、何を考えてきたのかということです。
どんな旅行をしてきたから価値があるのかというと、それ自体が直接的な価値を生み出すということはほとんどありません。
通訳の仕事についたり、現地の旅行会社についたりというような専門性がある仕事であれば違うかもしれませんが、多くの場合はそうではなく、あくまで自己PRのエピソードとして自分はどんな人間か、どのような人柄なのかというのを見せるために使う材料になります。
大変な旅行であっても、ちょっとした小旅行であっても、留学であってもなんでもいいというのは、それ自体の価値ではなく、そこから何を考えたのかを出すことが大事だからです。
「〇〇に行ったら人生変わった」とかそういう話はよくありますが、どう変わったのかが大事であり、なんとなく変わったでもありませんし、日本に帰ってきて楽しい思い出で終わりましたでもダメです。
変わったのなら何が変わったのかを説明できるということ、また変わったわけではなくても、自分の性格がそこで表現できるのであれば、どういうことが起こって自分はどう行動したから、このような性格なのですというような、論理性をしっかりさせるということが大事です。
企業が欲しいのは即戦力ではなく協調性
企業が欲しい人材というのは、海外旅行をしてきたとか、留学をしてきたとか、それ自体を要求しているわけではありません。
というのも新卒市場においては企業は即戦力を求めているわけではないからです。本当に即戦力が必要であれば中途採用でその業務の経験のある人を雇えばいいことで、わざわざ新卒を雇うということは、目の前にあるスキルではなく、これからの伸びしろを考えているということです。
特別なスキルを要求するのでなければ基本的に必要なのは協調性です。社会人はまわりの人とチームを組んで仕事をするのが普通ですし、そこでチーム内に溶け込めない、独りよがりなことばかりを言っているのであれば話になりません。
努力ができるとか、大変なことに耐えられるとか、それも大事な要素ですが、一番欲しいのは協調性なのかなとも思います。
旅行に行って好き勝手しているというよりは、いろいろな人に触れあって、経験を積んでいるので上手く対人関係もやっていけるというような流れにするのもいいかもしれません。
志望する会社で働いている社員から一緒に働きたいと思われるにはどうしたらいいのか、このあたりを考えてエピソードから話を繋げていきましょう。
差別化・インパクトは重要ではある
経験の多い少ないではない、どの国をどれだけ周ったとか、小さい旅行だったとか、留学であったとか、そういうことは本質ではないということを言いました。
これは正しいのですが、そうはいっても差別化・インパクトというのが重要なところもあります。
最終的な内定を取れるのかどうかは人柄、話し方、考え方等の要素が深く関わってくることになりますが、最初のESを勝ち抜くには目立つことも大事です。
あまりにも応募者が多い企業の場合、何か目立つ要素がないと、ESも本当にきちんと読まれるかどうかすらわかりません。
海外経験でマニアックな内容があると、他の学生の一般的なアルバイトやサークルと比べると、やはり目に留まりやすくなって、目に留まるということはそれだけ通過率も上がります。
最初を勝ち抜くだけで、その後の面接で有利になるかどうかは別問題になりますが、まず最初を勝ち抜けなければ何も始まりません。
とりあえず目立つというのも、初期段階においては有効な作戦です。
目立つ内容が本当にどうしようもないこと、くだらないことであればNGですが、マニアックな国や都市に行ってきて、そこで興味深い経験をしましたというのであれば、目立ちますし、選考としても話を聞いても悪くなさそうというイメージができそうです。
ES、自己PR方法がわからない、苦手な人向けサービス
海外旅行経験もES、自己PRで勝負できるといっても、どのように書けばいいのか、どういうアプローチをするのが正解なのか。
これは本当に難しいところがあります。
本やネットでこのようなESの例がありますというのは、調べるとよく出てきますが、本当にそれが正解なのかどうかはわかりません。
その人によって答えは異なりますので、ESでそう書いてあったけど、次の面接で話をしてみたら書いてあることと印象が違うとなると、マイナスとなる可能性もあります。
ESでどう書けばいいのか、これは自分で研究することも大事ですが、誰かと相談することも大事です。
この記事下でも就活エージェントということで、第三者が間に入ってくれて就活のアドバイスをするサービスを紹介しています。
そこでES、自己PRを見てもらうこともできますので、このようなサービスで第三者の意見を聞いてみるというのもいいのかなと思います。
まだ時間があるという人は経験を積もう
まだ就活まで時間がかなりあるけど、この記事を見つけたという人。
海外旅行経験だけがすべてではありませんし、他にもいろいろな方法はありますが、とにかく就活のときまでにいろいろな経験を積んでおくことをおすすめします。
就活の時期になってからいざ対策をしようとしても、テクニカル的な対策はできるかもしれませんが、経験だけはどうしようもありません。
ない人はないなりに絞り出すしかありませんし、ほとんどの人はサークルやアルバイト等の日常的な経験の中からなんとか見つけてきます。
もし時間があっていろいろな経験が積めるのであれば、ネタ元が多くなるということで就活もやりやすくなります。
すでに何かに打ち込んでいる人はそのままで、その中にも自分はどういう人物であるか、今後何をしたいのかの意識を高く持つということ。
また何もしていない自覚がある人は就活の時期に結局要求されることになるということを覚えておき、何か行動するようにしていきましょう。
まとめ
ここでは海外旅行経験の使って就活で勝負できることについて話をしてきました。
留学ではなくても、旅人のような旅行経験でも、またちょっとした旅行経験であっても就活に上手く役立てるということは可能です。
どこかに行ったからその経験を買ってくれるのではなく、どこかに行ってどう行動したかから人物像が見えたり、行動力や協調性があるようなことに結びつけるということが必要です。
旅行経験しかないという人でも今は就活で十分戦うことができますので、ES・自己PRを磨いていきましょう。