OB訪問をどうするか考えている人も多いかと思いますが、企業側からOBとして会いたい、話をしたい等の連絡が来る人もいます。
このように自分側からではなく、企業側からの連絡でOBとの交流がある場合にはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?
ここではOB訪問とリクルーターの違い、対処法等を説明していきます。
企業側から連絡が入りOBとの面談になるケース
OB訪問というと、一般的には学生側から大学の名簿等を頼りにOB訪問をしたいと連絡するという流れになります。
そうではないケースとして企業側からOBの連絡が入ることもあります。
「学生に会社のことを知ってもらいたい」
「学生との懇親会のような感じで話をしたい」
誘い方はいろいろなものがありますが、多くはランチをしながらであったり、お茶をしながらであったりしながら同じ学校のOBと話をするというものになります。
一回に一人の場合もあれば、複数人と会うというケース、それが何回も続くというようなこともあります。
これは特別な表現を避けるようなこともありますが、OB訪問とは異なるものでリクルーターと呼ばれる方法です。
リクルーターを実施する企業
同じ大学のOBとの面談を企業側から連絡してくるのがリクルーター制度になりますが、どの企業がやっているのかどうか、これについては明確に書いていることはほとんどありません。
実施している企業は主に金融系が多く、大手企業、大量採用のところが中心となります。
他にもインフラ系も多いという情報もあります。
その年になってみないと、どのように採用活動を行うかは不明なものになりますし、毎年方法を変える可能性もありますので、絶対にここはリクルーター採用を実施していると断定することはできません。
リクルーターはOB訪問ではない!
このリクルーター制度はOB訪問と似たような気がしますが、同じものではありません。
面接とは異なり、カフェ等で行うことも多いのでフランクに話をしやすいということはあります。
ただし企業側が行っている以上、これはあくまでも選考活動の一種であり、学生側から依頼する選考とは関係ないOB訪問とは全く異なるものであるということを考えておきましょう。
企業側からの連絡は本当にいろいろな言い方があり、一見懇親会のように見えても、それは事実上のリクルーターであったりするものです。
このリクルーター制度を実施する目的は半分はPRであり、うちの会社をもっと知ってもらいたいという名目で活動をしていたりしますが、半分は事実上の選考活動を兼ねているものであるため、油断は禁物です。
選考への直結度というのはバラバラになりますし、どの程度かは把握できないものになりますが、そのリクルーター面談の場で良くないと判断されれば、その後の連絡は来なくなってしまい、面接を受けて採用不採用と判断されたわけでもないのに選考が終了してしまうということも起こります。
単純接触効果を狙った囲い込み
リクルーター制度を利用している会社であれば、多くのOBと直接話す機会ができます。
一般的な会社であれば説明会の後は面接になり、堅苦しい形式的な話になってしまいますので気軽な話はしにくいところがありますが、リクルーターであれば、よりフランクに話をして会社の詳しい情報を聞くこともできます。
単純接触効果というもので、何人もの人に会えば会うほどその会社への興味も強くなるもので、学生としてもその会社に入りたいと思うようになってきますし、企業側としても学生の囲い込みであったり、内定後の辞退防止に役立つということがあります。
就活でどこの企業に入るかということを人で決めるということはよくあるものです。人で入社を決めるのが良いかどうかということは賛否があるものにはなりますが、実際に働いている人の話を聞くことができるということは学生側にとっても大きなメリットにはなってきます。
ただし、企業側としては当然囲い込みの目的でこの活動を行っていることになりますし、話していることがすべて本音である保証は何もありません。
あくまで説明会のPRと選考を担っている制度であるということを理解した上で冷静に考えてみるということも必要でしょう。
リクルーターと通常選考が別のケースもある
リクルーター制度は学生側からすると非常に曖昧な制度であり、その実態がわかりにくいものになります。
リクルーター自体が選考の初期段階である場合もあれば、通常選考が全く別に存在するというものもあります。
リクルーターと学生が面談して、リクルーター側からの評価が高ければ別ルートで選考が進むというようなケースもあります。
リクルーターとは関係なく通常選考に進めるのか、それともリクルーターの印象が悪ければそこで終わりになり選考は受けられないのか。
この答えはどこにもありませんし、このような制度で選考をすること自体を発表していないことがほとんどであり、学生側は知ることはできません。
実態がわからない以上、油断することなく全力で参加するしかありませんね。
OBがいない、少ない大学は極めて不利
リクルーター制度の問題点としては、OBがいない、OBが少ない大学では極めて不利なものになってしまうということです。
OBがいない時点で制度が存在せず、通常選考ルートが別に用意されているのであればそちらで入ることができるかもしれませんが、そうでない場合、事実上入社することができない場合もあるということです。
おそらく全く通常選考がゼロで、そのルートがないということは考えづらいとは思いますが、通常選考のルートのハードルが極めて高く、事前にインターンに参加していたり、学生中の実績が極めて高い人でないと選考に進みにくいということも考えられます。
リクルーター制度をやっているわかっている会社であり、直近でOBがその会社にいないという場合、就活のターゲットとする会社としては微妙である可能性もあります。
こういう点から見ると不公平さがある制度にはなってしまいますが、文句を言っても仕方がありません。選考の制度が特殊である場合、冷静に判断していく必要があります。
どうやったらリクルーターから電話がかかってくるか。
学歴によるところは大きいです。
リクルーター制度は学歴が高いほど有利と言えます。
— 人気企業14社から内定とる方法 (@hiroki2012s) June 22, 2020
リクルーターとOB訪問の差は何になるのか?
リクルーター制度でOBに会うことも、OB訪問で学生側からOBに会うということでもOBに会うということ自体は変わりません。
具体的にリクルーターとOB訪問にはどのような差があるのでしょうか。
なんでも自由に聞けるわけではない
OB訪問と違ってリクルーターの場合、なんでも好きなことを自由に聞けるわけではありません。
面接と違ってカフェ等でのフランクな場になることが多いですし、聞きたいことはどんどん聞くべきではありますが、大前提として「選考に関わる可能性が高い」ということがあります。
全く選考に関係ないとすれば本当は聞きたいということはあったりしますよね?
給料はどれくらいもらえるのか、福利厚生はどうなのか、社内の雰囲気はどうなのか、嫌な上司とかはいないのか、社内の恋愛事情は、若い人達の雰囲気は・・・等、面接では聞きにくいし聞いてはいけないこともあったりするはずです。
リクルーターもフランクな場にはなりますし、聞き方によっては上手く聞けるということはあるとは思います。またOB訪問であっても、相手によっては聞きにくいということもあるでしょう。
ただリクルーターはあくまで企業側が手配したものであり、この人はこういうことしか興味がないのか、選考で上に進めるのは止めておこうと思われればそれで終わりになってしまいます。
堅くなりすぎず、油断しすぎずという微妙な駆け引きが必要になってくるのです。
自己PRを求められる
OB訪問であれば、普通は聞きたいことを聞いたり、OB側から会社についての話をしてもらえるということになりますが、リクルーターは学生の自己PRについても求めてきます。
面接のように自己PRを何秒でしてください、なんてことはないでしょうけど、
・大学時代にどのようなことをしてきたのか?
・どんな勉強をしているのか
・サークル等の活動はしているのか
・アルバイト等の活動はあるのか
このようなことを聞かれます。
面接での回答という風でなくても、素の雰囲気で自己PRを話すことを求められるということでしょう。
通常の面接と同じように準備しておかないといきなり答えられるというものではありません。しっかりとした準備をしておく必要があります。
志望動機も求められる
OB訪問と違い、リクルーターの場合はその会社への志望動機を聞かれることにもなるでしょう。
直接的に面接のように志望動機を聞くというわけではありません。
ただどのような業界に興味がある、つきたい職種であったり、そのような話を大まかにしながらも興味・方向性を探るということになります。
OB訪問の場合、志望動機を固めたりするために利用するのに対して、リクルーターの場合は懇親目的や説明するというような流れで開催されながらも実質的には志望度が低い場合は落とされてしまうということが起こります。
本当に優秀な学生であり、志望度が低いだけということであれば、リクルーター側から志望度を高めるためのアクションがあるかもしれません。
普通の学生の場合、そんな体で参加してしまうと、選考を進めない可能性があります。志望動機については完璧に仕上げないまでも業界への興味があるということである程度は調べていくことが求められます。
入念な準備が必要
OB訪問でも準備が必要であるということは間違いありません。リクルーターの場合の決定的な違いはその準備が選考に影響してしまうというところです。
「企業についての理解を深めてほしい」というような言い方で集めたりすることもあるにも関わらず、実態は選考直結型だったりすることも多いのがリクルーターです。
OB訪問の延長のつもりくらいの気持ちで馬鹿正直に参加してしまうと、意識の低さから選考に出遅れてしまうという可能性もあるのです。
参加してみないと、実際にはその会社がどの程度の重要度でリクルーター制度を利用しているかはわかりませんし、選考への影響度もわかりません。
わからない以上、参加するのであればしっかりと準備をしておくべきなのです。
想定される質問に対する回答を用意しておくのと同時に、多くの逆質問を準備しておいた方がいいでしょう。
リクルーターの場では面接よりは交流型になりますので、学生側から聞くような話が多くないとコミュニケーションとしてよくありません。
OB訪問は全く別で行えるのか?
リクルーターとOB訪問の違いについて話をしてきました。
リクルーター制度があるような会社の場合、OB訪問を行うことができるのか?という問題もあります。
これはその会社の方針もよりますし、会社として特に受けていなくてもOB個人として受けてくれる可能性もあります。
OB訪問はOB訪問として受けてくれれば、選考直結型ではなくなりますし、選考から離れることで本音が聞けたりアドバイスをもらえるということも期待できるでしょう。
OB訪問もできるのであれば、やっておいた方がいいでしょう。
内定を取るのに必須ではありませんし、説明会もありますのでやるかやらないかは自由ということになりますが、話を聞くチャンスがあって、時間の余裕があるのであればやってみて損はありません。
まとめ
ここでは、OB訪問とリクルーターの違いや、その対策について書きました。
OB訪問会のようなつもりであっても、その実態はリクルーター制度であり、話している内容が選考に直結する可能性もあるということで注意が必要です。
企業側からアクションがあるということは、当然何かの意味合いを含んでいるもので、純粋なPRだけであるとは考えない方がいいでしょう。
特に選考のようなことをしていなくても、行動や質問等を見られて選考に乗せられている可能性もあります。
OB訪問はOB訪問、リクルーターはリクルーターとしてそれぞれ意味合いは全く異なるものになるということを認識した上で、リクルーターであれば選考と同じようにしっかりと準備をした上で参加するようにしていきましょう。