総合商社に就職したい。まだ本気で就職を狙うかどうかはわからないけど、総合商社とはどういうものかを知りたい。
そのような学生は大変多いのかなと思います。
総合商社といえばいつの時代も人気となっている業態であり、トップクラスの人材が集まっている企業であるともいえます。
今回、就活エージェントのキャリアチケットが主催しているオンラインの説明会があり、動画が公開されていますので紹介、レビューをしていきたいと思います。
※21年卒のための動画となっていて応募は終わってしまっていますが、選考以外の情報が豊富なので参考になる部分は多いです。
双日のオンライン説明会と対談について
今回紹介する双日の動画は以下になります。
前半18分ほどが会社の説明になっていて、後半からは対談方式になっています。
個人的には座談会形式の方が興味が出てきます。
実際に1年目の社員も出てきますし、話の内容でどのような会社なのかというような雰囲気もつかめる部分もあるからです。
説明会では、トルコ病院事業で日本初の海外病院PPPというものが紹介されています。
トルコ政府、双日、ルネサンスグループでの官民連携事業で病院施設運営事業に参画したというものです。
このような世界レベルでのダイナミックな事業を経験したいということであれば、総合商社が一番向いているのかもしれません。
メーカーでは自社製品ベースになりますので、ダイナミックさはあっても、その種類は異なるのかなとも思います。
対談方式について
説明会のあとに行われる対談方式での質問会。
こちらの方が雰囲気はつかみやすいと思います。
オンライン説明会だと繰り返しみることができますし本当に便利ですよね。
コロナ時代だからこそこのような方式になっているのかもしれませんが、これは非常に便利で勉強にもなります。
1年目の方が出てきているのですが、非常に話し方が聡明なところがあり、さすが商社に内定して勤務している人なのかなという印象を受けました。
ある程度の年次になればこのくらいは話せて当たり前かもしれませんが、まもなく2年目になるとはいえ、1年目の状態でこれだけを話す、この態度というのはレベルが高いように感じます。
双日という会社について
双日の特徴としてみれるのが、総合商社というものは当然ありますが、一番の特徴としては150年の歴史がある総合商社ではあっても、2004年に日商岩井とニチメンが合併した会社ということで、その影響が強く出ているということが語られています。
「お互いの人間を認め合うことがこの会社のベースになっている」という話が出てきます。
最初は合併の中で軋轢があったということですが、現在は克服しているということで文化を作っているそうです。
サラダボールのように違った人間が集まっている。
総合商社は他の企業を買収することはあっても、合併した会社はレアなのです。
社員の入社理由は?
今回の方の入社理由としてはどのようなものがあったのか。
その入社理由としては「人」だったということが出ています。
・社員の仕事への思いに共感した
・仕事への当事者意識、責任感を持つ。その人の仕事に対しての距離感が遠い会社と比べて、自分自身が仕事を担って大きくしていく価値観が大きい。
ということ。
上司の場合は最初は広告・マスコミ希望で就活していたが、人の心に響くものを作りたいと思っていて、自分が何をしたらいいのか迷っていた。
最終的には人だということで、一緒に働く人がいいと思って選んだのがこの会社だった、縁で選んだということでした。
特定の仕事をやりたいということで来たのというわけではなく、社風や人ということで入社したということ。
これもまた総合商社にあるような傾向かもしれないです。
総合商社となるとフィールドが広すぎて、実際に自分が何の仕事をやることになるかが非常に見えにくいです。
絶対に特定のものではなく、総合商社であることに意味を見出す、人や働き方に良さを感じて入社してくるという感じがあります。
体育会が強いわけではない?
話の中で出てきたのが、この社員は体育会出身ということですが、実際に今は体育会は2割を切るようなマイノリティになってきているということです。
2割というと普通の会社としては、かなり多いですが、総合商社では体育会がもっと多いというイメージがあります。
今ではそのイメージは変わり、8割が体育会でないとなると、様子はかなり変わるのかと考えられます。
入社してからも体育会が優遇されるということはなく、フラットな取り扱いだということです。
体育会の人だからいってそこまで有利になるわけではないというのは体育会出身の人には困ってしまうかもしれません。
ですが、一般のサークル等所属の人にとってはこれは大きなチャンスにもなります。だからといって実績が何もない、実力がないのに入社できるというわけではなくかなりの難関ではあるとは思います。
しっかりと準備をして臨みたいですね。
女性の比率も高まっている
総合商社というと男社会のイメージがあるのですが、今は30%強が女性の総合職になりました。
それに事務職も加えると比率としては5:5になっているということ。
昔は総合職の女性比率は1割に満たなかったそうです。
これも大きな社会の変革ですね。
女性比率が高くなってくると働きやすさも上がってくると考えられます。
男性ばかりが総合職、男中心となってくると成果を上げるためにとにかく無茶をする、根性論というような流れになりがちですが、女性比率が高いとそうしたことをするのは難しくなります。
男性から見ても、男女比率がある程度しっかりしている方が働きやすさは上がる可能性が高いです。
その他学生からの質問等
他にも学生からの質問であったり、司会者からの質問でこのようなことが出ていました。
どのようなカルチャーなのか?
・やってみろという精神がある。
・若手に振っていく文化がある。
・ニチメン・日照祝いの合併があり、会社が苦しかった時代があった。このときに中間層の人が多く抜けていった。そのため若い人がしっかりと働かなければいけなかった。この自分たちがやった経験をいい意味で若手に受け継いでいる。
・最短6年で課長になれる制度等若手の裁量権が大きい。おそらく総合商社として最短ではないか。
・半年も経たないうちに海外出張をする例もある。
活躍している人材は自分の意思を持った人。
利害関係が多い中で多くの人を巻き込んでいく力。
自己成長の意識が高い。
自分で夢や目標をもって邁進できる人。
このような人が良いということで挙げらています。
派閥や出世への影響等
銀行は派閥があるのはあるが、双日はどうなのかということ。
これは合併当初は派閥のようなものは正直あったが、今は全くなくなったということ。
また、ここのコースに入ると出世しやすいというものもありません。
大企業では部長になれるのは〇〇大学とかそういうのがあるかもしれませんが、双日に関してはそれはないということです。
仕事は忙しいのか?
総合商社は一般的な業界に比べ高級だけど忙しいのか?
これについても今は
・残業時間や休暇について厳しく管理されている
・35時間の残業規定があり有給は必ず取らなければいけない。
・休みたいときは休めるようになっている。
ということで昔のイメージと変わっていることがわかります。
よくイメージしがちな飲み会についても
・朝まで飲みにつきあわなければいけないイメージはなくなっている。
・仕事で残っている人達に上司が声をかけることがあっても、お酒を断ってもいい。
・今は飲めない人も多い。
・好きな人は問題ない。
このような発言が出ています。
ジョブローテーションについて
総合商社のジョブローテーションについてはどうなっているのか。
これは以下のような回答がありました。
・希望を取ってローテーションすることが多い。
・半年に一度上司と会話する。
・5~10年後の希望を話した上で決めていく。
・資源に入ったらずっと資源畑とかそういうことはない。実際に上司は複数の部署を経験している。
ここも意外な内容です。
これまで総合商社は一度所属した畑の中でずっと働き続けるというイメージがありました。
最初にどこに配属されるかが勝負を分けるということになっていて、配属された場所でやっていくしかないということがありました。
他の総合商社が今どのような動きになっているかはわかりませんが、複数の部署に行けるというのは魅力的ではあります。
若手が活躍しやすい職場
若手が非常に働きやすい環境となっていることが説明でも強調されました。
・初任給は業界最高水準。(もともと総合商社は上がり幅が大きいので心配する必要はないかもしれません)
・若手は20代後半までというイメージ。最短課長が6年で登場するように6年でマネジメントができるまでの実力を身に着けるようにしている。
・新人でもやったことがない仕事に対しての裁量権が大きい。
・新入社員でも自分はどうしたいんだということを考えて意見を出してこいという方針。言われたことをやればいいという環境ではない。
なかなか大企業となると新人の活躍する場が難しいという会社も多いです。説明会ではそんなことは言えませんので若手も活躍していますとはいいますが、古い会社になればなるほど、上の社員が仕事をバリバリとこなし、新人はひたすら作業的なものに追われるというような風潮はあります。
この双日は、合併の影響もあったからなのか、そのような雰囲気はなさそうということはわかります。
採用に関しての情報
採用に関してはこのような話も出ています。
特定業務へのこだわりはなくてもいい?
特定分野に興味がある人、広く総合商社に興味がある人はどちらが多く入社しているのか?
・これは後者の働き方。必ずしも強いこだわりがなくても内定はとれる。
・世の中に価値を出していくことが大事。商材はそのためのツール。
商社に入って何をやりたいのかというのは就活生としては用意はしておきたいところですが、実際には、特定業務ではなく、総合商社という生き方、働き方に興味を持って入社する人が多いということ。
その状態であっても、内定は出してくれるということがわかります。
OB・OG訪問は必須なのか?
OB・OG訪問は必須なのか?
これは必須ではありません。
今回の社員の方はOB訪問はしましたが、何十人もしたわけではなく、5~10名以内程度であったということ。
OB訪問の何が大事かというと人に会って雰囲気、空気感がわかる。セミナー・説明会だとわからないことがわかるのがいい。
社員の個人的なおすすめとしてはした方がいいということでした。
今回の動画では、OB訪問は直接的には義務ではないような話が出ていましたが、これはした方が良いかと思われます。
総合商社の場合、どうしても違いを見出すのが難しいように思います。フィールドは厳密には違っていますが、重複している部分も多くあります。
差別化をするためには、何かを見出さなければならず、OB訪問で直接話を聞きにいくのが、オリジナルの違いを感じ取りやすいからです。
他にも方法はあるかもしれませんが、できるのであればOB訪問はわかりやすい方法なのかなとは思います。
具体的な選考について
実際の選考方法としては
・一般的な基礎能力と適性検査
・面接の回数は複数回(若手・管理職・役員)
というもの。
特に重視している要素は
・ホームページに掲載している人物像
・一緒に働きたいか
・商社での適性
自分で考え行動して最後までやり抜く、価値を世に出していくという人
このような話がありました。
何かテクニカル的なものを考えるよりは、本当に人の実力勝負ということになりますね。
まとめ
今回はキャリアチケット主催で総合商社の双日の説明会動画を紹介、レビューをしてみました。
総合商社ということで抱くイメージもありますが、今回の話を聞くとかなりその内容も変わってきたというような感じもあります。
あくまで説明会の内容であり、実態を保証するというものではありませんので実際に総合商社を受けてみたいという人は独自に研究をしていってみてください。