就職を決める前に辞めた人の話を聞きたい

OB訪問

就活で会社を選ぶ際の基準として、働いている人がその会社・職場をどのように感じているかということは重要な要素になります。

でも、本当の会社の情報を知りたいのであれば、会社で働いている人だけではなく辞めた人の話というのも聞いてみるとわかることも多いのではないでしょうか?

辞めた人の話であったり、ネガティブ系な話を聞き出すということについて説明します。

今、会社に残っている人の話でしかない

会社の説明会やOB訪問では、今働いている社員から会社の話を聞くことができます。

この話は非常に参考になるものにはなりますが、考えておきたいこととして、あくまでもこの会社に残っている人の話でしかないということです。

会社の中で生き残っている人として、その人が充実した生活を送っているのであれば、どういう人が理想的な生活を送れるのかということで、話を聞く価値は十分にありますが、本当に自分が入社したときに同じような生活を送ることができるのかどうかはわかりません。

例えば、本当はノルマが厳しくて多くの人が辞めているけれど、その人はトップセールスを上げて生き残っている。このような場合は残っている人の意見は参考にはなりますが、その話だけで会社のすべてと考えるには危険な要素もあるわけです。

セールスのノルマがかなり厳しいというような目に見える指標以外にも細かい要素、隠れた要素というのもあるかもしれません。

人事の説明は、良いところしか言わない

説明会で出てくるような人事部や人事部から紹介される社員の話というのは原則的に良いことしかいいません。

いかに普通のことを良いことのように話すかということ。
そして会社の問題点、課題を聞かれたときにも無難なものを言うこと。

学生側も就活の面接の際に短所をあげてくださいと言われて本当に致命的なことを答えたりはしないですよね。

会社の人事側も同じで、本当の問題点までは答えてくれるとは限りません。

また問題点を答えても、それは経営的な課題であって、働く環境の問題等については隠されてしまうかもしれません。

説明会等はあくまで会社のPRであるということを考えるとこれは当然のことです。あからさまなウソはNGですが、話し方によってイメージというのは操作できるという部分は大きいのです。

OB訪問で辞めた人の話は聞ける?

会社の人にあって本音を聞く場としてはOB訪問があります。
OB訪問で、特に選考に関係ないようなスタイルであれば、会社の良いところも悪いところもすべて聞くことができます。

そうはいっても、OB訪問で来るということは少なからず会社のことを意識して会社の代表として参加してくるもの。
元から知り合いの先輩等に聞くのとは異なって、そこまで突っ込んだ話というのはしてこないかもしれませんし、あからさまなデメリットまでは言わないかもしれません。

また、若手社員だとまだまだ会社のことをしっかりと把握しているとは限りません。学生側からすると、会社の中で大活躍している素晴らしい先輩に見えるかもしれませんが、社内では若手の下っ端扱いで、会社の実態についてはほど遠い場所にしかいないということもあります。

このあたりの感覚は非常に難しいもので、本音を聞くことはできるとは思いますが、それでも難しい点も出てくるでしょう。

そういったことを含めても、それでもOB訪問で得られる情報は人事から聞く話とは異なることもあるかもしれませんし価値のあるものです。

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どのような人が続けられないのかという視点

会社の中で働いている人でも、すでに会社を辞めていった人のことは知っているはずです。

どのような人だとその会社で続けていけないのか?これを知ることも大事なことです。

誰でも頑張ればなんとかなるように思えるかもしれませんが、会社を辞めている人がいるということは、それぞれ何かの事情があるはずです。

単純に業務成績が悪くてどうしようもなかったという場合もありますが、そうではなく本人は優秀でも会社のカラーと合わなかった等のこともあります。

またキャリアプランを考えた上で転職を決めていったという本人の能力とはまた異なる視点の可能性もあります。
このあたりの実情も知っておきたいところではあります。

積極的転職のケースもある

会社を辞めていった、会社を続けることができなかったとなると、なんだかマイナスの響きがあるような気がしますが、実は積極的転職というケースもあります。

その会社で仕事を学んだ上でのステップアップとして、さらに給料の良い会社に移った、よりよい仕事ができる会社に移ったということもあります。

本人の頑張りももちろんですが、スキルをつけて転職しやすいというような風土がある会社であれば、それは一つの魅力ともなります。

リクルートは離職率が高いですが、最初からそれが当たり前で、それぞれ別の会社で活躍したり、独立したりということが頻繁に行われていますね。

面接等では聞きにくいですが、転職を考えたキャリアプランを考えていくというのも決して悪いことではありません。

辞めた人があの会社は良い会社だったと評価していれば、その会社はかなり良いところであると言えるでしょう。

辞めた人に直接話を聞くのがいい

本当の生の声を聞くには、会社を辞めた人に話を聞くのが一番いいことになります。

ネガティブな理由で辞めた場合であっても、辞めた人にはそれなりの言い分があるものです。
ただ仕事ができなかったからやめたというだけではない、何かその会社に対しての問題を把握しているかもしれません。

どうやって辞めた人に直接会うことができるのか。
これは難しくチャンスは少ないです。

OB訪問ですでに辞めた人に都合よく出会えるのか。大学の就職課で探せるのかというのはその大学によるでしょう。また、そう都合よく話してくれない可能性も高いです。

転職した人であれば前の会社の情報も聞けるかもしれませんが、これも若手社員だとレアケースになってしまいます。

現時点ではなかなかこのようなサービスは存在していなく、直接的な知り合いでもない限り出会いにくいのが難しいところです。

ネットの転職情報を見るのも一つの方法

インターネットの転職情報を探ってみるというのも一つの方法です。
新卒市場であれば、まだ働いたことのない人達の情報の場なので、公式には良い情報しか出回りません。

転職情報の方を見ると、その会社について良いところも悪いところも含めかなり赤裸々に書いてあるようなものまで出てきます。

そのようなものをチェックしてみて、現状知っている情報との違い、企業側が公表している情報との違いを見てみるのもいいでしょう。

ただしこの情報は客観的なものではないということには注意しましょう。
転職をするということ、元社員ということは何かの不満を抱えているから転職したのであり、本当に満足している人はそんなところに情報を書き込まずに毎日充実して過ごしているかもしれません。

このあたりを冷静に見れない人、気にしすぎてしまう人はわざわざ転職情報までは見なくてもいいかもしれません。

ネット上の落書きのようなものは注意

転職情報もそうですが、新卒用の就活の情報についてもネット上で検索してみると玉石混合ということで、わけのわからない信ぴょう性のない情報も出てきます。

転職サイト等で、匿名とは言えども会員登録した人が書いている情報であればまだ信頼できます。

そうではなく、ただの匿名掲示板の情報等については本当かどうかもわかりません。元いた社員だといっても、その人がどのような人だったかはわかりませんし、会社のことを悪く言っていても、実はその人に非があるものもあります。

探すと本当にいろいろな情報が出てきますが、実際に入ってみるとでたらめもいいところだったというようなものまであります。

情報は信頼できるところから取るということ。
匿名第三者の口コミ等には十分に気をつけるようにしましょう。

入社して数年経てば環境は変わる

なぜ会社を辞めるのかということですが、入社して数年経てば環境も変わってくるということも考えられます。

若手のときは過ごしやすくても、その環境がずっと継続するとは限りません。1~2年目の若手OBに聞いて、楽しそうだと思っても数年後その人が退職しているということもあります。

・数年経つと慣れてきてやりがいがなくなってきてしまう
・数年経つと管理職の話がきて環境が厳しくなる
・残業がひどくて長期間続けられない
・やりがいはあっても仕事内容がハードすぎる
・最初は同期同士が仲が良くてもだんだんそう言ってられなくなる
・競争が激しく何年も戦い続けられない
・部署移動の関係がマイナスに作用する
・転勤等の問題

最初は出てこなかった問題が後になって起こるということもあります。
長期的にどうかということも見据えておきたいところです。

絶対にすべてが良い会社というのはない

今回は会社を辞めた人にフォーカスしているので、マイナスの内容を多く書いていますが、絶対にすべて良い会社というのはまずありえないと考えてください。

大抵の会社は3年間で3割が退職するというような一般法則に当てはまったりします。
ずっと全員が残り続ける会社というのは、基本ありえません。

そして採用人数が増えれば増えるほどある程度辞めることを前提とした採用になっているのも事実です。

マイナスである話が出ても、それは個人が感じていることであって、自分が入社したときは違うかもしれません。もちろんその逆もあり、入ってみたら全然違うということもあります。

前提としてすべてが良い会社なんていうものはありえませんし、少なからず嫌な思いをして働くということはあるはずです。

お金をもらうのに、毎日が楽しくて仕方がなくてストレスもないなんてものがあれば、誰もがその会社に入ります。実際にはそうではないということはやはり何かの問題があるということ。

問題点を見つけ出すのも大事ですし、受け入れるということも大事になってきます。

良い内容しか出ない場合はもっと引き出すことも

OB訪問等をしていて、良い話しか出てこなくて、マイナスの話、課題の話等が一切出てこないという場合は、まだ本音の引き出しが足りないかもしれません。

会社の問題が何一つないということは考えにくく、何かの課題くらいはあるはずです。中小企業であれば偶然今課題がないということはあるかもしれませんが、それなりの規模の会社であれば何かの問題はあるはずです。

その人が配属された環境では人間関係もいいし、仕事も楽しいしという状態もあるのかもしれませんが、会社の問題点や、環境の問題点を知っておくというのは就活を進める上で非常に参考になるものです。

自分の価値観とのすり合わせをしていく

マイナスの情報というのも出てきたら、その情報も含めて自分の価値観とのすり合わせを行っていきましょう。

絶対にすべてが良い会社というのはないと言いました。
みんな何かの苦労をして、頑張っているというのが会社の実態です。

それが仕事内容かもしれませんし、人間関係かもしれません。
嫌な顧客対応を頑張ることが求められているかもしれませんし、数字が上がらないと社内でも責められる等もあるかもしれません。

給料や福利厚生等の問題、転勤であったり部署移動であったり環境的なものもあるでしょう。

全てが最高というものはありませんし、仮にあってもその会社にピンポイントで入れる人はわずかしかいません。

それであれば何であれば受け入れられる、頑張ることができるのか。
こういうものだけは絶対にNGなのか。

価値観と合わないものは何かというのを考えておくのもいいことです。

ネガティブになりすぎないように注意

辞めた人の話を聞き出すということですが、あまりネガティブな方向性に行きすぎないように注意してください。

説明会でマイナスのことばかりを聞いてくる、OB訪問でマイナスのことばかりを聞いてくる。これはこれであまりよくないというのはわかりますよね。

元からの知り合いで実態を聞けるのであればいいですが、そうでない場でネガティブ系の話ばかりになってしまうのはよくありません。

また万一選考に関係した場合には不利になってしまうリスクもあります。
このあたりは上手くやるということで、明るい話題、前向きな話もしつつ、会社の実態、問題点についても探るというように話の流れには気をつけていきましょう。

まとめ

今回は会社にいる人の話だけではなく、辞めた人の話を聞いたり、どのような人が会社を辞めたのかということを知ることの重要性について話をしました。

表面上の良い情報だけにとらわれずに会社の実態を探るというのも大事なことです。

会社というのは何かの課題、問題を抱えているというのが当たり前です。仕事上もあれば人間関係等もあります。

良い話だけではなく、マイナス面も含めて上手く情報を仕入れ、その上で総合的に判断することができるようにしたいですね。

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